青ジャケの遍歴

 今年から・・・と思っていたことがあった。 
 
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 じっくり聴く
 あっさり書く

 と、いうこと。
 

JIMMY COBB / TRIBUTE TO WYNTON KELLY AND PAUL CHAMBERS

JIMMY COBB-ds MASSIMO FARAO-p ALDO ZUNINO-b
1997
SOUNDHILLS

1.TEMPERANCE 2. ON THE TRAIL 3. MAKE THE MAN LOVES ME 4. KELLY BLUE 5. ON A CLEAR DAY 6. IF YOU COULD SEE ME NOW 7. WIMS OF CHAMBERS 8. SURREY WITH THE FRINGE ON TOP 9. WIL YOU STILL BE MINE 10. WE CAN MAKE IT 11. REMEMBE

 

 なかなか実行出来ない。読み散らかすし、聴き急ぐ。挙げ句にダラダラ書き連ねる。
 そんなこんなしてる間に滔々50歳の大台にのってしまった。
 今年で締めくくろうと思っていることがある。
 来年から始めようとしていることがある。
 偶然50の大台にのった時にそういう「節目」が来た。
全くの偶然とはいえ、「天命」なのだと思い込めば、そう思えなくはない。
 
「今年で辞めるよ」
 の一言を理解して貰えた。

 あれこれ当面の難しい事を思えば表情が曇ることははわかっていた。
 でも、いつか曇りが晴れに変わることを信じてるしかなかった。

 なるようになるさ・・・
 
 雲が少しずつ切れて陽が急に射し出した。

 まあ、そんなんで、はじまり、はじまり・・・。

 
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 青色のジャケットには逸品が多い。
 ヘレン・メリルの青に始まり、シンプル・アコースティック・トリオのハバネラの深い蒼に至る青ジャケの遍歴・・・。

 僕にとっては、ウィントン・ケリーのFULL VIEWの青は未だに鮮烈だ。
 何せ片手ほどしかなかったアルバムの1枚だったから、繰り返し繰り返し飽きずにすり切れるほど聴いた。
 それらと符丁をあわせたようなジミー・コブのW.ケリーとP.チェンバースのトリビュートアルバムである。
 コブとこの両人に共通するマイルスのアルバムと言えば、KIND OF BLUE・・・?
 なるほど・・・。

 ケリー役にはもってこいのマッシモ・ファラオ。明瞭に、スウィンギーに歌うことの出来るピアニストだ。ROMANTIC MELODYの「恋は水色」を聴いて、ああ真っ直ぐな弾き方をする人だなと思った。
 そのマッシモとジミー(地味ー?)・コブという取り合わせで来たこのアルバムは、ジャズの「純正部品」みたいなものを鈍く光らせている。
 多彩な内容でてんこ盛りにされた最近のCDにはない、「純正」だからこそ飽きさせないという「保証書付き」のように思える。
 マッシモはこのアルバムで、そこここにケリーから受け継いだ軽やかなフレーズを差し挟み、躍動する。

 VEE JAY盤のケリーのAT MIDNIGHTの冒頭に来るTEMPERANCEから始まるこのアルバム。
 同じくVEE JAYのWYNTON KELLY(邦題「枯葉」)の2曲目に来るMAKE THE MAN LOVES MEには泣けるし滲みる。

 ケリーの魅力イコールという部分で手元に置いておきたいアルバムであろう。
 

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