20歳代の終わり頃、気まぐれに始めたものの、風格とあまりに不釣り合いなキザな代物だったが、漸く釣り合いのとれそうな年代になって来たから・・・というわけでもない。
パイプに煙草を詰めるには小道具があって、頭が平らになった部分の下にスプーン状のと、小振りのナイフみたいなのと、針状のものがセットになって折りたためる様になって、それが筒状のケースに納まっている。平らの頭は、パイプの煙突と言えばよいのだろうか、そこにギュッと詰める時に使い、スプーン状のものは、本当はどう使うのが正式なのかは知らないが、吸った後の煙草の灰を取り出すのだろうと思って使っていた。それからナイフの部分は、煙突部分に硬くこびり付いたタールを刮ぎ落とす為であろう。そして、針は煙突部分とそこから約90度に曲がった吸い口に繋がる部分が良く詰まるので、狭い穴の風通しを良くする為?なんだろうと思って使っていた。そんなものがコンパクトにセットされた小道具である。
一旦煙草を詰め、煙突の上からライターかマッチの火を翳しておいて、吸い口からプカプカとすって、火を熾すわけである。そうすると、上手くいけば20分くらいは、長持ちして吸い続けられる。
僕が愛用していたパイプ煙草はアンホーラという銘柄だが、色々銘柄があって香りや味の違いを愉しめる。香りが良いから、割と嫌煙されなくて済むという良さもある。
まあ結構雰囲気の良いモノだ。で、それを燻らせながらジャズを聴く・・・なんて構図が・・・やっぱりキザだが。
こういう雰囲気の似合う人と言えば、やっぱりシャーロック・ホームズとかマッカーサーとかそれに類する英国紳士とかだろう。日本人で似合うとしたら、白洲次郎みたいなダンディな男に違いない。
到底僕など・・・ダンディだなんて言ったら、口が曲がってしまう。
でも、そんな雰囲気のジャズ喫茶のマスターが、苦虫潰したような顔で、珈琲など落としながら客を上目遣いに睨んで「ヨクモいらっしゃいませ」なんて姿に憧れたものだったが。
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