Sana
第三話 地獄からの使者1
第1節 Sanaの秘密
このお話しは、まだ。Sanaがデビュー前のお話です。
冥界 (いわゆる死後の世界、その中でも、地獄と呼ばれるところに、人間研究所とゆうところがありました。そこの一研究員だったのがミハルです。
そんなミハルは落ちこぼれの研究員で、いまいちの成績で、このままだと研究所から出て行かなければいけないことになっていました。そんな中、所長
から緊急の呼び出しをうけたミハル。所長室からのお話です)
ミハル「失礼しま〜す、ミハルです。」
所長「入りたまえ。」
ミハル「はい。」
所長「なんで呼ばれたのか、わかってるね?」
ミハル「大体は・・・、クビですか?」
所長「まだ、クビとはいっとらん、まあ、そこにかけなさい。」
椅子に座るミハル
所長「ミハルくん、きみはここにきて何年だったかな?」
ミハル「正確には記憶にないですが、300年くらいだったと思いますが。」
所長「そうか、もうそんなにたつか。ここの目的はなんだったかな?」
ミハル「はい、人間とゆう種族を研究し、冥界の僕として働けるようにするためです。」
所長「そうだ、いままできみが出したレポートはどれもいまいちだね。」
ミハル「・・・。」
所長「成果が出せない者に、無駄なお金は払えないのだよ。」
ミハル「はぁ・・でも、私、まだやりたいんです。今、研究してる論文ができれば、きっと・・・。」
所長「もう、きみには時間が残されていないんだよ。」
ミハル「けど、この論文を完成させるには、あと一歩なんですけど。これは所長に頼まないと無理かなって。」
所長「わしに?」
ミハル「はい、実はこんどの研究は人間の性を、もし途中で入れ替えたらどうなるのかとゆうものなんですけど、これには、実際の実証データをとらなければいけないので私を人間界に派遣していただきたいのです。私自身が直接行ってデータを取らないといけないので。」
所長「う〜ん、いまいちぱっとこない内容だが、これが最後になるかもしれんのだぞ?」
ミハル「はい、これで、だめならいさぎよく辞めます。ですが、この論文を完成させたいんです。お願いします。」
所長「で、その研究が今後、冥界にどんな影響を及ぼすとゆうのだね?」
ミハル「それは、まだ、わかりません。ですが、きっとプラスになるよう全力でやりますんで、お願いします。」
所長「やれやれ、結果がわからないのに・・・人間界派遣は私だけでは決められないこと。これでもし、きみがろくなものを出せなかったら、わしのクビもかけないといかん、じゃが、先代の所長だった、きみの父上に、わしもお世話になった。これが最後じゃぞ。しっかりやってくるのじゃ。」
ミハル「はい、ありがとうございます所長。きっといい成果をだして戻ってきます。」
出発前夜 研究室
ミハル「みんな、私、最後の研究になるかもしれないけど、がんばるね。」
ガンズ「ミハル、俺はお前を信じてる。人間界に行ってもがんばれよ。」
ミハル「うん、ガンズありがとう。」
ミーナ「みんなからの餞別よ、デビルキューブ。あっちに行ってもガンバッてね。」
ガンズ「ところで、ミハル、これなんだ?」
ミハル「うん、私の研究材料だよ。」
ミーナ「人間の皮・・・?」
ミハル「うん、こんどの研究でどうしても必要なのよ。」
ミーナ「これどうするの?」
ミハル「それは、結果をだすときまでの秘密。でも、とても面白いことができるのよ。じゃあ、もう列車の時間だから。」
冥界駅
駅員「3番線に人間界行き特急がはいります。危ないですので黒線の後ろまでさがっておまちください。」
先頭車両、つまりコクピットはドクロの形の列車だ。ミハルはそれに乗り込む。
ミハル「さ、がんばらないと。」
人間界までは3時間ほどの旅だった。途中には、血の池地獄、針地獄などの風景も見える。ついうとうとして寝てしまっていた。
車掌「まもなく終点人間界でございます。」
ミハル「は?いけない。いつの間にか寝てたんだ。」
荷物をまとめて、ドアに向かう。列車はゆっくり停車する。
車掌「長らくのご乗車まことにありがとうございます。人間界でございます。ただいま、午前2時でございます。」
専用のハッチから出ると、真夜中の墓場に出た。
ミハル「う〜ん、いつ来てもいいわ〜落ち着くわね。さ、とりあえず、居場所を確保しないと、しばらく見ない間に人間界もかわったわね。私が前に来た時は、こんなんじゃなかったんだけど、まあ、300年前だしね。」
墓場から、出て細い道を道なりに歩いていると、国道にぶちあたった。
ミハル「えーと、ガイドブックによると、この世界では不動産屋というところに行けば、部屋が見つかると書いてあるわ。でも、どこにあるのかしら。」
周りを見渡すが、それらしき建物はない
ミハル「困ったわね、道や建物に困ったときはっと・・・あった、警察暑に行けばいいと書いてあるわ、って警察暑ってどこ〜?」
時間は午前2時すぎ、人通りもない、田舎の道にミハルは取り残されていた。
ミハル「地図によれば、こっからまっすぐ行けば町にでられるはずだけど。」
ミハルはそのまま、道なりに歩いていった
1時間ほど歩くと、光が見え始めるコンビニだ。
ウイーン
店員「いらっしゃいませ・・・。」
店員はこっちをみて驚いたような顔をする、そう服はダーク、黒と紫のドレス、顔には紫のメイク、いわゆるコスプレスタイルなのだ。
ミハル「あ・・しまった。」
たまたま、本を立ち読みしている客も全員こっちを見ている。
ミハル「やば〜、あ、こうゆうときは、これね、デビルキューブ、これをこうしてっと。」
デビルキューブとは、正方形のかたちをした特殊器具、色、配列をくみかえることでさまざまな現象をまき起こせるのだ!
ミハル「ここにいる、みんな、私のことは忘れて・・。」
とデビルキューブを天にかざすと、黒い閃光がほとばしり、その場からミハルは消えた、もちろんコンビニいた全員の記憶にはミハルのことは消えていた
で、ミハルはどこにいったかとゆうと・・・
ミハル「いった〜い、もう、最悪〜。」
転送されたのは、300M後方にあるドブだった。
ミハル「これ、壊れてんじゃん、服びしょびしょじゃない。せっかくこの日のために新調したおニューなのに・・・。」
とりあえず、ドブから這い上がって、デビルキューブを出す
ミハル「もう、こんないい加減なもの餞別にくれるなんて・・・みんな・・・でも、ありがと、じゃあ、服を変えましょ、よいしょ。」
キューブを変化させると、人間女の服にきりかわった。メイクもとれて、髪の長い、女の子の姿になった。
ミハル「なーんか、ヒラヒラして落ち着かないわ。あ、もうじき夜明けだわ。サングラス、サングラス。日の光は悪魔族の私にはきついのよね。」
午前6時
日も明らみ始め、町が活動をはじめる。新聞屋のバイク、ランニングをする人。
ミハル「わ〜、なんだか、いいわね、こうゆうの。」
しばらく町を眺めながら歩いていた。そのとき、曲がり角から、突然飛び出てきたバイクに当たって、転倒してしまう。
バイクはすぐに止まり、男が走ってきた。
男「すみません、大丈夫ですか?救急車呼びますんで、ここで待っててください。」
ミハル「いや、いいの、平気だから。」
男「でも、あれだけ激しくぶつかって、怪我一つないなんて・・・。」
ミハルは悪魔である。怪我などは負わないのだ
ミハル(やば、さすがに怪しんでるわ。ここで救急車なんか呼ばれたら、ここは・・・)
ミハル「う、いたい、腕が・・・救急車はいいから、あなたがなんとかして。」
男「そ、そんな、わかりました。とりあえず、僕の家に運びますので、少し我慢してください。」
男の家
男「本当にごめんなさい、急いでいたとはいえ、人をはねるなんて・・・。」
ミハル「ん?ああ、いいの、いいの、私も不注意だったわけだし。」
男「でも、こうゆう場合、警察に届けないといけないんだよな〜。業務上過失致傷ってやつで逮捕されちゃうんだ〜僕の人生終わった〜。」
ミハル「そんなに落ち込まないで、私は平気だから。警察にも言わなくてもいいよ、お金もいらないわ。」
男「でも、それでは・・。」
ミハル「本当にほしいのは、そんなものじゃないけど・・・。」
男「え?」
ミハル「ううん、気にしないで。じゃあ、私、これで失礼するね、ありがと。」
男「待ってください。まだ、名前教えてもらってないです。あの、僕は天道まさきといいます。あなたは?」
ミハル「あ・・・あ、あたし?」
男「はい。」
ミハル「私はミハルってゆうの、じゃあね。」
まさき「待ってください、ミハルさん。」
ミハル「まだ、なにかあるの?」
まさき「あの、みたところ、旅のかたですよね?」
ミハル「どうして?」
まさき「だって、こんな町でガイドマップ持ってる人なんて、たいていは旅行してる方くらいしか・・・。」
ミハル「あ・・・。」
まさき「まだ、今夜泊まるとこ見つけてないんでしょ?」
ミハル「ええ、まだ。」
まさき「よかったら、僕の家で・・。」
ミハル「そんな、悪いわ。見ず知らずの、しかも殿方の家になんて。」
まさき「だめですか?」
ミハル「うーん、私、この町に来たのはちょっといろいろやりたいことがあってね。不動産屋に行けば部屋が見つかるかなって。」
まさき「それなら、うちに住まわれてはいかがですか?もちろん家賃はいりません。」
ミハル「あ、でも、そんなことできないわ。」
まさき「撥ねた罪滅ぼしです。お願いします。でないと僕の気がすみません。」
ミハル「でも、ご両親が・・・。」
まさき「その心配はいりません。両親は今、海外にいて、当分はかえってきません。一人暮らしなんで、それにしては広い家で、よかったら一部屋使ってもらってかまいませんので。」
ミハル「でも・・・悪いわ。赤の他人の私なんかを・・。」
まさき「いいんですよ、お願いします。」
ミハル「そこまでいうなら。でも、けして変な真似はしないでね。それと私の部屋にかってに入ったり、覗いたりしないって約束していただけますか?」
まさき「はい、それはもちろんですよ。ひゃっほ〜い!!」
そうゆうわけで、ミハルとまさきの、同棲生活がはじまったのです
ミハル自室
ミハル「とはいっても、どうしよ〜。待って、あのまさきって人間、今回の論文のサンプルとしてつかえないかしら、せっかくだしね。」
一通り荷物を部屋において
ミハル「さ、デビルキューブでお掃除、お掃除、よいしょ。」
何年も使っていなかったため、非常に汚い部屋なので、キューブの魔力で部屋を一掃する。
部屋の壁は全面黒壁、電球は赤。そんな部屋だw
ミハル「いいできね、我ながら、センスいいわね。」
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
コンコン
ミハル「はい?」
まさき「まさきです、夕飯できましたよ。」
ミハル「はい、いまいきますんで、先にどうぞ。」
ダイニングルーム
ミハル「わざわざ夕食まで、ありがとうございます。」
まさき「いえいえ、こんなんでよかったら、でもいいな〜。」
ミハル「え?」
まさき「こうして、女の人と一緒に食事ができるなんて。」
ミハル「なんだ。こんなんでよかったら、これからずっとできるじゃないですか。よかったら、住まわせてもらってるわけだし、食事は私が作りますよ。」
まさき「え、そんな悪いですよ。」
ミハル「いいのいいの、私、こうみえても料理自身あるんです。」
まさき「へぇ〜、じゃ、明日の夕飯お願いできますか?」
ミハル「うん、任せて。」
ミハル「あの、一つお願いきいてもらっていいですか?」
まさき「なんなりと、僕にできることなら。」
ミハル「いえ、部屋に鍵をかけさせてもらってもいいですか?」
まさき「はは、よっぽど、信用されてないんですね・・。」
ミハル「そんなんじゃないんです。理由はそのうちお話ししますから、お願いします。」
まさき「はい、いいですよ。」
ミハル「ほんと?ありがとーまさきさん。」
ミハル(あんな部屋、人間がみたら気絶するわw)
ミハル「あの、もう一ついいですか?」
まさき「はい、なんですか?」
ミハル「食事が終わったら、一緒に散歩しながら、この町のこと教えてもらえません?」
まさき「え?そんな、いいですよ、行きましょう。」
ミハルとまさきは、そのまま町に出た。
まさき「ここが、駅、そこからまっすぐいけば、商店街さ。いつもここで買い物するんだ。」
ミハル「へぇ〜。」
そこに、まさきの友達らしき人物がまさきに声をかける。
カズヤ「おう、天道。なーに、いい女連れてんジャン。お前のコレか?」
まさき「そんなんじゃないよ。」
カズヤ「近くでみると、ゲロまぶじゃん。俺、カズヤ、こんなひょろい男とじゃなく、俺と一緒にいかない?」
ミハル「はぁ?」
まさき「待てよ、なに急に口説いてんだよ。まったく、行こうよミハルさん。」
ミハル「でも、彼いいの?」
まさき「いいんだよ。まったく、かわいい子を見るといつもああなんだ。」
まさきはいつのまにか、ミハルの手を握って走っていった。
川沿いの土手まで来て、腰を下ろした。
まさき「はぁ、まったく、あいつは昔からそうだよ。」
ミハル「そうなんですか。」
しばらく沈黙したあとで、まさきは、自分がミハルの手を握っている事に気がつく。
まさき「わ、ご、ご、ごめんなさい。」
ミハル「なに?どうしたの?」
まさき「いつのまにか手握ってて・・。」
ミハル「え、ああ、いいの、私もそうしたかったから。」
まさき「え?」
ミハル「私ね、前いたとこで落ちこぼれで、ほんとだめな子で、だから、ここに来たようなものなの。結局逃げたのよ・・。」
まさき「ミハルさん・・・。」
ミハル「ダレも私を必要としてない。私がいないほうがうまくいってて・・・。」
まさき「そんなことはないですよ。少なくとも、僕にはミハルさんが必要です。」
ミハル「そう、ありがと・・・元気がないの。あなたの元気を私にわけてくれる?」
まさき「え?ど・・どう。どうするの?」
ミハル「こうするの。」
すると、ミハルはチューしての体勢にはいった。潤んだ唇、まさきもそれに引き寄せられるように、キスをする。
ミハル「ふふ。」
まさき「う・・。」
長い、キスが終わる
ミハル「ありがと、おかげで少し元気になったわ。」
まさき「は〜、僕はなんか気のせいか疲れたよ。」
ミハル「それはきっと、今日いろいろなことがあったからよ、さ、家に帰りましょ。」