プロジェクトRINA

第3章 絆

 

翌朝になり旅の準備を整えて、町を出発することにした、点呼をして人数を確認する

  リンダ「よし、じゃあ行くぞ。」

  リナ「あ、待ってリンダさん、子供が。」

 

  突然馬車の前に子供が飛び出してきた、リナはギリギリで子供をかばって別の道に乗り出した

  リナ「大丈夫?」

  子供「うん、お姉ちゃんありがとう。」

  リナ「もう出てきちゃだめよ。」

 

  ちょと怖かったのかその女の子は泣き出した、リナは優しくその女の子を抱きしめてあげた

  リナ「ね、いい子だからもう泣かないの、私たちになにか言いたいことあったの?」

  女の子「うん、えっとね、えっとね・・。」

  リナ「あわてなくてもいいわ、ゆっくり話してね。」

  

  女の子「私ねロキ先生から預かったもの持ってきたの。」

  リナ「ロキ・・お姉ちゃんに見せて。」

  

  女の子から手紙を受け取る

  「リナさんや国王討伐隊の皆様、私、ロキは別の件で国王に牽制を加える方法が見つかりました、私はフェンリルとともに南に向かいます。

  私の情報では、遊牧民族キグル民はこの町から北に20キロほどのところで待機しています、しかし明日にも移動するでしょう、急いでください、ではまたどこかでお会いしましょう。」

 

  リンダ「ここから、北に20キロか、近いな。」

  リナ「ええ、お嬢ちゃんありがとう、でももうこんな危ないことしちゃだめよ。」

  女の子「うん。」

  リナ「お姉ちゃんと約束できる?」

  女の子「うん。」

  リナと女の子は指きりをして別れた、そして町をあとにすることになった

 

  リンダ「にしても、リナもリナだ危ないぞ。」

  リナ「ごめんなさい、でも、ああしないとあの子が。」

  リンダ「今後、軽率な行動は慎んでくれよ、寿命が10年は縮まったな。」

  リナ「はーい、わかりました。」

  リンダ「ほんとかー?ハハハ。」

 

  夕刻

  無事遊牧民族キグル民との合流に成功したリナとスラッシュ、早速リンダが長老に交渉する

  リンダ「そうゆわけなんです、どうかドラゴンオーブをお譲りください。」

  長老「うーむ、ドラゴンオーブは我らお宝じゃ、そうやすやすと渡すことはできん。」

 

  リナ「お願いします、世界の運命がかかってるんです。」

  長老「おぬしは?みなれぬ格好じゃのう。」

  リナ「私は・・。」」  

  リンダ「私が紹介します、彼女は異世界からの救世主リナです、これまでも数々の奇跡でわれらを窮地から救ってもらったんです。」

 

  長老「ほお、伝説の異世界からの救世主とやらがおぬしか、なるほどこれで少しは信憑性がでてきたの。」

  リナ「じゃあ。」

  長老「まだじゃ、まだわからん。」

  リナ「そんな、じゃあ、どうしたら。」

 

  長老「我らの戦士カリンと戦ってみごと勝利したらドラゴンオーブを渡す、それが条件じゃ。」

  リンダ「カリン?」

  長老「でておいで、カリン。」

 

  カリン「はい。」

  するとテントに一人の若い女性がはいってきた、民族衣装に身を包みいかにもおとなしそうな女だ

  リンダ「なんだ、どんなのがでてくるかとおもったら、これならいける。」

  長老「それはどうかの、ふぉふぉふぉ。」

 

  リナ「そうよ、リンダさん、彼女の気は普通の女性のものとは違うわ。」

  長老「ふぉふぉふぉ、さすが救世主、なかなかの眼力じゃ、いかにもカリンはこの部族の中の覇者じゃ、いままで負けたことがないてだれじゃ、勝負は明後日じゃ、それまで待機じゃ。」

 

  カリン「よろしく。」

  リナ「こちらこそ、よろしくカリンさん。」

  二人は握手した、そしてテントからでる

  リンダ「私には普通の女にしか見えんが。」

  リナ「あの子ただものじゃないわ、さっきの握手のとき彼女の手をくんだら一瞬力がはいったんだけどものすごい力だった、いまでもしびれてるし。」

  リンダ「汚い奴だな、戦う前から相手にダメージを負わそうとゆう作戦か。」

  カリンはそんなリンダの挑発的な言葉のもまったく動揺しない

  リンダ「なかなか肝が座ってるじゃないか、さてはリナが女ただの女だと思ってなめてるだろ?」

  カリン「あなたなにか勘違いをしてるわ、私は戦う相手のことなんか考えたりしない、私は私の強さを証明すためだけに戦うの、相手が男でも女でも関係ないの。」

  リンダ「な?なに。」

  カリン「ちょっと、どいてくれないかしら、邪魔なんだけど。」

  カリンはリンダを強引に押しのけて巻き割りにかかかる

  リンダ「ふん、強がってられるのも今のうちだ、お前はリナの強さを知らないからな、第1に斧もないのにどうやって割るつもりなんだ。」

  カリン「いちいちうるさい人。」

    

  するとカリンは薪を5、6本上空に投げ放つ

  リンダ「なに?なにをするんだ。」

  カリンは自分の背丈よりも大きい弓を構える、矢を5本同時に射出する

  ものすごい精度で矢は木を切り裂いていくはじめ5本だった巻きが15分割くらいになっていた

  リンダ「な、なに?ゆ、弓で」

  カリン「あんなの目をとじててもできるわ」

  カリンのおもわぬ牽制でたじろぐリンダ

    

  カリン「リナさんに言っておいたら、次はあなたがこうなる番だってね、ふふふ。」

  そのままリンダに細切れになった薪を渡す。

  リンダ「く・・・。」

 

  その夜

  リナ(あーあ、結局、カレンさんと戦うはめになっちゃったね)

  俊介(そうだな〜、なんとか平穏無事になすませれないもんかな)

  リナ「私も〜、本当は戦いなんかできる体じゃないのに・・・)

  そこにリンダが入ってくる

  リンダ「リナ、ちょっといいかい?」

  リナ「あ、リンダさん、どうぞ〜。」

  リンダ「いよいよ、決戦は明日だな、どうなんだ、カレンにかつ対策はあるのか?」

  リナ「ううん、ないよ、できれば私は戦いたくないの。」

  リンダ「だが、ドラゴンオーブを手に入れいと、オーディンに対抗できないぞ、ごめんな、リナばかりにつらい戦いをさせてしまって。」

  リナ「ううん、私が決めたことよ、リンダさんと一緒に行くって、なんとかやってみるから。」

  リンダ「そうか、だが、相手は弓の名手、どう戦うかだけど。」

  リナ「そうね・・・。」

  リンダ「弓は距離あってこそだ、あっちは4本5本は目をつぶっていても相手にあてることができる、それをかいくぐって相手の懐にとびこんで一気にけりをつけないと。」

  リン「そうなんだ〜、ふぅ〜。」

  リンダ「リナが、あのときイーグルと戦ったときのような力がだせれば・・・あるいは・・。」

  俊介(え?なに・・それ?)

  リナ(・・・)

  リナ「え?なにそれ?」

  リンダ「あの力があれば、いけると思うんだが。」

  リナ「わかんない、でも、なんとかなるよ、今日はもう遅いから寝るね。」

  リンダ「あ、悪かったな、じゃあ、おやすみ。」

  リナ「おやすみなさい。」

 

  翌朝

  天気は雨、シトシトと肌さむい雨がふるなか、二人の決戦ははじまった

  長老「よいか、お互い己の力をすべてだしきり勝敗をけっすること、だしおしみはいかんぞ。」

  カレン「ふふふ、全力でこないと、死ぬわよ。」

  リナ「よろしくお願いします。」

  弓と剣をかまえる

  長老「はじめ〜い」

  リナ「たあぁぁ〜。」

  とリナが先陣をきってカレンに突撃する

  リナの剣をかわして、おおきく後ろにジャンプする

  カレン「素人まるだしじゃない。さよなら。」

  反転しながら、矢をはなつ、5本の矢がリナにむかう

  リナ(俊介、上)

  俊介(わかってる、シールドオープン)

  盾がでてきて、矢をはじきかえす

  カレン「あらあら、かわいいこと、でもい、これならどうかしら、イリュージョンアロー。」

  距離をとって、高台にのったカレンが天空にむけ、無数の矢をはなつ

  そのまま、カーブを描き矢はリナにむかってくる

  リナ(だめ、ふせぎきれないわ)

  3本ほど、リナの体につきささる

  リナ「きゃぁ〜」

  特殊スーツのおかげで致命傷まではいたらなかったが、体に激痛がはしる、その場に倒れてしまうリナ

  カレンが降りてくる

  カレン「あれ?もう終わりかしら?救世主とやらもたいしたことないわね。」

  そうゆうと、カレンの頭を足でふみつける

  俊介(うわ〜)

  リンダ「く、やりすぎだ、俺がでる。」

  カレン「あなたは、楽しませてくれるのかしら、ダイナマイトアロー。」

  すかさ矢をリンダにむけてはなつ、技名からすれば、着弾とともに爆破するのだろう

  1本が、リンダの足につきささると同時に爆破する

  リンダ「うわ〜。」

  カレン「あはは、弱い弱い、それではオーディンはおろか、家臣にも勝てないわ。」

  俊介(くっそ〜、よくもリンダさんを・・・うお〜。」

  リナ(俊介、私も力をかすよ、はぁ〜)

  カレン「なに?まだそんな力があったのか。」

  リナ「あんたは、リンダさんを傷つけた、よくも私の大事な仲間を・・・許せない。」

  カレン「弱いのがいけないの、ダレもあなたに許しをこう必要もないけど。」

  リナ「石よ、私に力を貸して。」

  俊介(こ、これは?)

  リナ(まあ、みてて)

  鎧が変化する、イーグルと戦ったときと同じ、黒と黄色があいまった、漆黒の鎧、すさまじいエネルギーで火花がでる、まわりの金属が変形しはじめる

  リナ(これが、私の第二戦闘形態)

  俊介(これが、リンダさんが言ってた、姿って?」

  リナ(ごめんなさい、あのときは俊介気絶してたから、私が勝手に俊介の体をうごかして変化したの、私はコンピュータで30%しか力がだせないままだけど、俊介が協力してくれれば100%力を発揮できるわ)

  カレン「なにを、ごちゃごちゃいっている、これで終わりよ、奥義、アルティメットアロー。」

  すると、カレンが5人に分身して、そこから、高エネルギーをひめた矢をうちこむ必殺技である

  カレン「ジ エンド。」

  5本の矢がカーブをかいて、リナにせまる

  リナ「無駄、ハイパーシールド。」

  リナの体を包むように、円形の魔方陣から、光の衣がリナを矢から防御する

  カレン「なに?そんな!」

  リナ「どこをみているの?私はここよ。」

  いつのまにか、背後にまわりこまれ、うなじに剣をつきつけられていた

  カレン「い、いつの間に、ふ、私の負けよ、さ、殺しなさい。」

  リナ「私は殺さない、あなたを殺す理由がないから。」

  カレン「あるじゃない、あなたの友達をあやめたのよ。」

  リナ「たとえそうでも、ここで私はあなたを傷つけたりはしないわ。」

  カレン「とんだ、あまちゃんね、その甘さがオーディンにつけこまれなきゃいいけど。」

  リナ「オーディンも、できれば生かして、この世をかえてみせる。」

  カレン「あらあら、本当に、まあ、いいわ、長老、このとおり私の負けよ。」

  長老「うむ、リナ殿、そのすさまじき力とくとみせてもろうた、よかろうそなたたになら、オーブをたくしてみてもよかろう。」

  

  翌日

  長老「よくぞ、試練に耐えぬた、よもやカレンが負けるとはな、傷ついたお友達は?」

  リナ「あっちのテントで休んでます、でも・・・」

  長老「見せてみなさい。」

  長老がテントに入る、そこには、右足をうしなったリンダがよこたわっている

  長老「ダイナマイトアローは矢がささったが最後、その部分から爆破しする、足だけでよかったの〜。」

  リナ「よくないですよ。」

  長老「まあ、みておりなされ、我が一族に伝わるドラゴンオーブの力があれば。」

  長老はドラゴンオーブを天にむけ、祈り始めた

  すると、リンダの体が黄色のオーラにつつまれたと思うと、すさまじい閃光をはなつ

  光がきえ、リンダをみると、なんと失った右足が再生しているではないか

  リナ「こ、これは?」

  長老「これが、ドラゴンオーブの力よ、ごふ。」

  カレン「長老、大丈夫ですか?」

  吐血する長老

  長老「この技は術者の生命力をおおきくけずる、わしも年じゃの〜、これが最後かもしれんでも、そなたたちにこの技を使えたこと、後悔などしてはおらぬ、かならずや、オーディンを・・・。」

  リナ「はい・・約束します、必ずこの世界をかえて、みなが笑ってくらせる世にします。」

  長老「頼んだぞ、異世界の救世主よ、わしはもうお迎えがきておる、さらばじゃ。」

  長老はそのまま息を引き取った

  カレン「長老さま〜。うわ〜。」

  翌日

  長老の葬儀が村をあげて行われた

  カレン「長老様はなくなられた、長老さまのご意思をつぎ、私がこの村の長となった。」

  村民「「ばんざ〜い、カレン様ばんざ〜い」

  カレン「だが、それも一時保留する、私はこのリナさんたちとともにオーディン討伐に向かう。」

  リナ「え?」

  カレン「私がいない間、村のみんなには寂しい思いをさせてしまう、だが、必ず戻ってくると約束する、必ずオーディンを倒すと約束する。」

  村民「カレン様がそうゆなら、カレン様を信じてまっています、われらはカレン様を信じる。」

  カレン「リナ殿、どうぞ、壇上へおあがりください。」

  いきなり、呼ばれて壇上に上がる

  カレン「私がはじめてまけた、が、悔いはない、リナさんはすばらしい力、力だけではない、心も清らかでやさしい、私はそんなリナさんと一緒に旅をして、もっと強くなる、よろしくリナさん。」

  リナ「こちらこそ、あなたが仲間にくわわれば、これからどんなに頼もしいことか。」

  カレン「いや、私は傷つけてしまった、リンダさんのつぐないさ、再生したとしても、十分につかえないだろうし、私がその穴埋めだ。」

  リナ「ありがとう、カレンさん、これからまだ、つらい戦いがあると思うけど、一緒にがんばりましょう。」

  

    

  第3章 終わり  第4章 混沌に続く