湯けむりビンビン物語(後編)

一樹・・・麻奈の人格が入っている。
麻奈・・・一樹の人格が入っている。
 

麻奈:「どうだった?」

伊代:「・・・・うん・・」

麻奈:「良かったでしょ。」

伊代:「・・・・うん・・」

麻奈:「一樹と和夫には内緒にしようね。」

伊代:「うん。」

二人はシャワーを浴びたあと、脱衣所に戻った。
少しぎこちない雰囲気を漂わせながらも、部屋に戻る事にした。
廊下を歩いていると、前に一樹と和夫の姿が見えた。

麻奈:「あっ、二人が歩いてるよ。おーい、一樹〜っ!」

和夫が振り返った後、少し遅れて自分が呼ばれた事を認識した一樹が振り返り、立ち止まる。

麻奈:「おんなじ時間だったね。」

和夫:「そうだな。結構ゆっくり入ったつもりだったんだけどなっ、一樹」

一樹:「あ、ああ。そうだな。のぼせそうだったよ。」

麻奈:「ふ〜ん、そっか。わたし達ものんびり入ってたから。気持ちよかったね、伊代。」

伊代:「う、うん。」

和夫:「どうしたんだよ、伊代。イマイチだったのか?」

伊代:「ううん。そんな事無いよ。気持ちよかったよ。」

和夫:「そっか。なんかさっきから俯いてるからあんまり良くなかったのかと思ったよ。」

伊代:「そうじゃなくて・・・ちょっとお湯に浸かりすぎて疲れちゃった。」

麻奈:「そうねぇ。伊代ったらだいぶ長い間お湯に浸かってたもんね。」

伊代:「・・・うん。」

和夫:「まっ、とりあえず飯だよ飯っ!温泉に浸かったら妙に腹が減った感じがするなぁ。たしか7時からだったよな、一樹っ。」

一樹:「ああ、そうだったはずだ。」

和夫:「え〜と、今は6時30分か。まだ30分あるな。そしたら7時になったら一樹たちの部屋に行くよ。それまでちょっと部屋で休む事にするわ。伊代も疲れている見たいだし。」

麻奈:「そうね。じゃあ7時に私たちの部屋に来てね。」

和夫:「ああ、それじゃあ後でな。早く7時にならないかなあ・・・」

麻奈:「もう少しなんだから我慢しなさいよ!この食いしん坊っ。」

和夫:「ははははっ。」

一樹:「はははっ。」

麻奈:「ははっ。」

伊代:「・・・」
 

4人はまた二人ずつに別れて別々の部屋に入った。
一樹と麻奈は、テレビをつけて座椅子に座り込んだ。

一樹:「はぁ〜っ、一樹のフリするのすごく疲れるよ。」

麻奈:「そうかぁ、結構うまくやってたじゃないか。」

一樹:「結構難しいんだから。それにしても一樹はわたしの真似、上手よね。」

麻奈:「そりゃあ、おまえの事が好きでいつも見てるからな。おまえのしぐさくらい真似するなんて造作も無い事さ。」

一樹:「そう言われてうれしいような・・・・って、一樹、わたしの体で変な事しなかったでしょうね。」

麻奈:「・・ああ、おまえの体では変な事してないよ。相変わらず見事なプロポーションだなぁって思ってただけだよ。」

一樹:「ほんとにぃ〜。わたしの体で楽しんだんじゃないの?」

麻奈:「ほんとに何もしてないさ。それよりおまえの方が楽しんでたんじゃないのか?」

一樹:「うっ・・・な・・何もしてないわよ。」

麻奈:「なんで言葉が詰まるんだよ。はは〜ん、さては俺の息子で遊んだんだろう。」

一樹は顔色を赤く染めながら俯いて話し出した。

一樹:「そ・・そんな事無いよ。た、楽しむって何よ。」

麻奈:「そんなの決まってるじゃないか。あれだよ、あれ。」

一樹:「あれって・・・その・・・一人上手のこと・・・」

麻奈:「あたりまえだよ。それ以外に何があるって言うんだ。」

一樹:「それは・・その・・・」

麻奈:「あ〜あ、俺、この日のために最近してなかったのになぁ。  これで気持ちよさが半減したか・・・って別にいいんだよな。俺は麻奈の体なんだから。」

一樹:「そういう問題なの?」

麻奈:「そういう問題なんだ!」

一樹:「そうなんだ・・・なんかね、男でイクのってはじめて体験したけど、女のとは全然ちがうんだね。」

麻奈:「どういう風に違うんだ?」

一樹:「あのね、女の体って色々感じる場所があって、少しずつ気持ちよくなってくるの。 それでだんだん気持ちが高ぶってきて、最後にすごく気持ちよくなってイッちゃうの。そのあとも気持ちよさはしばらく残るんだよ。でも男の場合は一瞬なんだね。 わたし、もっと気持ちよさが続くんだと思ってた。」

麻奈:「女の体はそんなに気持ちいいのか?」

一樹:「うん、気持ちいいよ。」

麻奈:「実は俺もおまえの体で少しだけ楽しんでみたんだよ。楽しんだっていっても 泡風呂の泡を胸に押し付けただけだけどな。確かに気持ちよかったけど それほどとは思わなかったぞ。」

一樹:「それは胸だけだからだよ。一番感じるのは下のほうだから。」

麻奈:「ふーん、そっか。それで伊代が・・・」

一樹:「んっ?伊代がどうかしたの?」

麻奈:「いや、なんでもないんだ。それよりそろそろ7時だな。仲居さんが料理を運んでくれる時間だ。」

一樹:「そうね。カバンを横に寄せておこうよ。」

麻奈:「ああ。」

二人はお互いのカバンを整理して、壁際に移動させた。
そしてテーブルの上を片付ける。

一樹:「ねえ、浴衣の前がはだけてるよ。ちゃんと胸が見えないように整えてっ。」

麻奈:「おお、ごめんごめん。普段あんまり気にしないからな。」

浴衣の裾を直したあと、

麻奈:「しかしおまえの胸、綺麗だよな。突起がツンと上向いてるしさ。」

と言って両手で胸を揉んでみた。

一樹:「ちょっと!あんた何やってるのよっ。止めなさい。」

麻奈:「いいじゃないか。おまえだって俺の体で最後までやったんだろ。」

一樹:「そ、それはそうだけど。」

麻奈:「じゃあ文句はいいっこなしだぜ。」

一樹:「もうっ、一樹ったら。」

一樹(麻奈)がぶつぶつ言っている間に、仲居さんが料理を持ってきた。
それにあわせて、隣の部屋から和夫と伊代も現れた。
一通りの料理をテーブルに並べたあと、

仲居さん:「どうぞお召し上がりください。」

と言って、お盆を下げた。

麻奈:「あっ、仲居さん。あの生大2つとウーロン茶2つください。」

仲居さん:「はい、すぐにお持ち致します。」

 そう言い部屋を出て行った。
程なく飲み物を持った仲居さんが現れる。

仲居さん:「どうぞ。」

4人の前にそれぞれの飲み物を置いた後、仲居さんは部屋から出て行った。

和夫:「やっとビールと飯にありつけるぜ。早く乾杯しようっ!」

麻奈:「ええ、一樹。今日は調子が悪いって言ってたからわたしが代わりに
         
ビール飲んであげるよ。」

一樹:「あ、ああ。」

和夫:「おいおい。麻奈がそんなに飲んで大丈夫なのか?たしかアルコールは飲まなかったじゃないか。」

麻奈:「ううん、最近練習したから大丈夫なの。ねっ、一樹!」

一樹:「ああ、練習したから大丈夫さ。」

和夫:「ふ〜ん、それならいいや。じゃ、4人のはじめての旅に、かんぱーいっ!」

麻奈:「カンパーイッ!」

一樹:「かんぱーいっ」

伊代:「・・・かんぱーぃ・・」

カチャカチャとグラスを鳴らして乾杯したあと、和夫と麻奈は半分ほどのビールを一気に飲んだ。
麻奈は思わず、

麻奈:「ぷは〜っ、うめーよ、ビールはっ。」

と叫んでしまった。

一樹:「わっ!ま、麻奈!なんて言葉使うんだよ。」

和夫:「はははっ、麻奈、まるで一樹みたいだなっ。」

麻奈:「あ、いやっ・・・その・・・いつも一樹といるからつい言っちゃった・・・」

4人はおいしい料理に舌鼓を打ちながら、大いに楽しんだ。
しかし、伊代は相変わらず少し暗い雰囲気を漂わせている。
 

しばらくして・・・
 

麻奈:「あ、あたしちょっとトイレに行ってくるね。」

麻奈は席を立ち、トイレに向かった。
少し足元がふらふらとしているのが分かる。

和夫:「おい、一樹。麻奈にあんなにビール飲ませたりして大丈夫なのかよ。」

一樹:「ああ、練習しといたから。」

和夫:「練習したからって、大ジョッキに2杯飲んでるんだぞ。急に飲んだらやばいんじゃないのか。」

一樹:「大丈夫だって。それよりこの海老、すごくおいしいよ。」

和夫:「おいしいよって・・・全くおまえは・・・もうちょっと麻奈のこと、心配してやれよ。」

一樹:「ん〜。そうだなあ。またあとでな。」

和夫:「まあいいや。おまえたちのことはおまえたちでやればいい事だし。」

伊代:「でも少し心配ね。わたし、ちょっと見てくるわ。」

和夫:「そうだな。頼むよ、伊代。」

伊代:「うん。」

そう言って、伊代は麻奈の後を追った。
その頃、麻奈は化粧室にいた。

麻奈:「はあ、はあ・・・麻奈の体ってアルコールにすごく弱かったんだ・・・俺の体なら
        
全然平気なのに・・・でも・・・なんか宙に浮いているみたいで気持ちがいな・・・」

化粧室の鏡に映っている顔をじっと見つめている。

麻奈:「へへっ、お酒を飲んだ麻奈の顔も結構イカすよな。なんかすこしいやらしい雰囲気がするぞ。」

麻奈:「あは〜ん!一樹ぃ。私の事好き〜っ?
         
この胸、揉んでもいいのよ〜っ。」

麻奈は鏡に向かって話し掛けながら、浴衣に包まれた胸を揉み始めた。

麻奈:「んんっ・・・どう?わたしの胸。柔らかでしょ・・・下のほうも見せてあげよっか。」

そう言って、両手で浴衣の裾を左右にゆっくりと開いてみる。
その隙間から、麻奈の白いパンティが徐々にあわられる。

麻奈:「どう?素敵でしょ。」

怪しく微笑みながら、鏡を見つめている。
しかし、そこにいきなり伊代が現れた。

伊代:「ま、麻奈っ!あなたこんなところで何してるのっ!」
 

・・・後編の後編につづく