移身

ecvt
さん & Tira



(第4話)

「あら、斉藤さん、まだ授業は終わってないわよ、それに[わたし]の部屋で何してるの?」

と、不思議に思った勇樹は京極先生になりきって聞いてみた。


「き、京極先生!?何でこんな時間に……」

美保子はおびえた表情で手に持っていたプリントを後ろ手に隠した。
しかし、勇樹は、


「あなた、今何を隠したの?」

と手に持ったプリントを取り上げた。


「これは来週やる京極せんせ……私の科目のテスト用紙じゃない、どういうことなの?」

「あの……そ、その……」

どうやら、美保子は京極先生の部屋にテスト用紙を盗みに入ったようだ。


「ちょっと生活指導室に一緒に来てくれるわよね」

勇樹が京極先生の声でそう言うと、美保子は黙って付いていくのだった。
女子寮の生活指導室には横に寝られる位の大きなソファーと事務机が置いてある。


「へぇーこんなになってたんだぁ……」

京極先生は珍しそうに自分がいつも使っている部屋を眺めていた。


「先生……?」


京極先生がまるでこの部屋に初めて入ったかのような振る舞いをしているのを見て、怪訝そうな表情で訪ねてきた。


「あぁ、何でもないの、まぁ、そこのソファーに座りなさい」

美保子は京極先生に言われるがままにソファーに座った。
すると京極先生は隣に座り、身体を密着させて美保子に質問を始めた。


「それで、どうしてこんなことしたの?」

「最近成績が落ちていて……悩んでいて……それで早退したら先生の部屋の鍵が開いていて、それで……」


美保子は罪悪感からか泣き出してしまった。だが、京極先生は冷ややかな表情で、


「大変な事してくれたわね。これは校長に報告したら最悪退学。良くてもあなたの内申書の評価はガタガタ。とても進学出来るとは思えないわね」

と言った。


「そんな、ううっ。そうなったら私……」

美保子は心なしか震えている。

「なら、今から私の言う通りになさい」

「え?」

「まずこのデジタルビデオカメラをソファーが映るようにセットして、そのカメラの前で服を脱ぎなさい」

「い、嫌です、どうして私がそんなこと……」

美保子は、あの曲がった事が大嫌いで潔癖性の先生からそんな言葉が出てきた事が信じられない様子だ。

「あら、反抗的な態度ね。あなたの内申書なんて私の意志で何とでも出来るし、あなたのある事ない事を校長に報告すれば、いつでもあなたを退学処分にすることだって出来るのよ」


京極先生は悪びれる様子もなく美保子に冷たくたたみかけた。


「そ、そんな……」

「あなたはちょっと我慢して、先生を満足させてくれればいいのよ」

そう言った女教師の顔は、いつもとは違う、いやらしい表情に満ちあふれていた。


「そんな事……出来ません」

「そう。それなら……退学になってもらおうかしら」

「……せ、先生……」

「誰に見せるわけでもないわよ。『おしおき』としてカメラに収めるだけなんだから」

「……で、でも……」

「先生の言うとおりにするか、退学するか。どちらを選んでもいいわよ」

「…………」


美保子は、また目に涙を貯めながら京極先生を見つめた。
どうしてそんな事をさせるの?と。
普段の京極先生なら……叱るだろうけどこんなことはさせない。
それなのに……それなのに……


グスン……


デジタルビデオカメラを事務机の上にセットし、ソファーに座った美保子。


「やる気になったようね。それじゃあ服を脱いで、普段部屋でやっているようにオナニーして頂戴」

「えっ!オ、オナ……そんな……」

「カメラは回ってるわよ」

「そ、そんなことまで……」

「いいから早く」

「……うう……」


何かを言いたげな美保子だったが、
俯いたまま赤いリボンを解き、わきの下についているファスナーを下ろした。
そしてセーラー服を脱ぐと、また京極先生の顔を見たのだが――
京極先生はじっと美保子を見ているだけだった。


「…………」


仕方なくスカートのホックを外し、ファスナーを下ろしたあと、スルッと脱いで下着姿になる。


「あの……先生……」


また京極先生を見た美保子。
すると、京極先生は顎を使って続きをしろと命令した。


「せ、せめて……下着はつけさせてください」

コクン――


京極先生は頷くと、デジタルビデオカメラが置いてある事務机の横に立って、じっと眺め始めた。


「…………」


何も言ってくれない京極先生。
その冷たい視線に諦めた美保子は、ゆっくりと白いブラジャーの上に手を添えると、そっと胸を揉み始めた。
高校生の彼女にふさわしい、程よい大きさの胸。
京極先生の視線を気にしながら、両手で優しく優しく揉んでいる。
カメラのレンズが美保子の様子をじっと捉えている。
そして、京極先生が腕組をしながら見つめている。

私……カメラで撮られてる……京極先生に見られてる……

そう思いながら、しばらく胸を揉んでいると、自分でも乳首が硬くなってきたことが分かったようだ。
かぁっと赤くなった美保子。


「ふ……う……んっ」


意識しなくても自然と漏れる吐息。
他人に見られることで、カメラで撮影されていることでこんな風に興奮するなんて。
下半身がジュンと熱くなる。

「はぁ……ぅっ……んんんっ」


チラリとカメラのレンズを見る。
そのレンズを見ていると、中に飲み込まれそうな気がした。


「はぁ、はぁ……ぁっ、んっ」


嫌だと思っていても、何故かブラジャーの上から乳首を摘んでしまう。
そしてコリコリを指でつまみ、自ら快感を増幅させる。


(うわぁ。目の前であの生徒会長がオナニーしてる。これってすげぇよ、たまんねぇ!)


京極先生の股間が疼く。
それでも勇樹は、じっと美保子のオナニーを眺めていた。


「あっ……はぁ、あん……あぁ〜」


ブラジャーの中に手を入れて直接乳首を摘み、空いている手でパンティの上から股間を擦り、更なる快感を求める。
そんな切ない表情の美保子を見ていると、思わず襲いかかりたくなってしまうのだ。


「やぁ……あっ、やだぁ……んんんっ!んっ……はぁっ、はぁ、はうっ」


ジワッとパンティが濡れ始める。
ほっそりとした白い指がパンティにめり込み、そしてクリトリスの辺りを気持ちよさそうに擦る。

やだっ……こんなの……私じゃないっ……で、でも……


生徒会長としての理性を総動員する美保子。
しかし、それは儚い抵抗だった。
自分でダメだと思っていても、他人に、そしてカメラに収められながらオナニーをするという行為を制止する事は出来ないのだ。


「んんっ!」


スルリとパンティの中に手が入り込む。
そして、直接クリトリスを刺激し始めたのだ。


「あっ、ああっ。ああんっ!」


モゾモゾとパンティの中で動く指。
パンティの生地越しにも、クリトリスを弄っているのが分かる。


(すげぇいやらしいよなぁ。ああ、俺もまたオナニーしたくなってきた)


下半身がムズムズする。
でも、今は生徒会長、斉藤 美保子のオナニーをデジタルビデオカメラのDVDディスクに収めることが先決だ。


「いやっ、いやっ……あっ、んんっ……んっ……んんん〜っ」


パンティの中からクチュクチュといやらしい音が聞こえている。
きっとこの弄っている音もカメラに収まるだろうな……そんな事を思いながら、上り詰めてゆく美保子の痴態をドキドキしながら見ていた勇樹。
快感をむさぶるように手を動かす美保子。


「あっ、あっ、んんっ……ん〜っ、んふぅっ……はぁ、はぁっ……ああんっ……はぁ、はぁ、いやぁ〜」


だめっ……指が止まらないよぉ……も、もういっちゃうっ……いっちゃうっ!


「あっ、だめっ……やだっ……あっ、ああ、あっ……あふっ……は、あはっ……はあっ、はぁっ……はあああ〜ん……」


ビクビクッと身体を震わせた美保子。
京極先生の前でイってしまったのだ。
はぁはぁと肩で息をする美保子をしばらく見ていた勇樹が、京極先生の手を使ってデジタルビデオカメラを停止させる。
その様子を涙目でじっと見ていた美保子。


「気持ちよさそうだったわね。最高のオナニーシーンだったわ」

「はぁ、はぁ……そんな言い方……ひ、酷すぎる……直接校長に訴えてやるわ……!」


声を震わせながら勇樹を、京極先生を睨み付けた。

「あら、出来るものならやってみなさい、一生徒であるあなたの発言と、生活指導の私の発言、どちらが信憑性あるかしら?」

「うっ……っ、でもそのビデオは」

「ああ、これは私が厳重にしまっておくわ。それに、校長に何か聞かれても私は本気でしらをきり通しますからね」


それを聞いた美保子は生活指導室でただただ泣き崩れるのだった。
確かに後日、美保子が校長に訴え、京極先生が事情を聞かれても何も話すわけがないのだ。
実際、京極先生自身は、勇樹に身体を乗っ取られている間に自分がした事など何も覚えてないのだから。

結果として勇樹がしでかした事のために本気で自己弁護をしてくれる事だろう。
例え先生が嘘発見器にかけられたとしても、事実が証明されることはないだろう。


勇樹に身体を乗っ取られた京極先生は、美保子からテスト用紙を奪い取ると、何食わぬ表情で生徒指導室を後にし、すぐさま寮のコピー機でコピーした。


「おかげでいい資料が手に入ったぜ、さっさとコピーして俺の部屋に届けておくか」

そう言うと、女教師は自分の作ったテストをコピーし、女子寮の自分の部屋ではなく男子寮への渡り廊下へ向かった。


「鍵鍵……あった。これだな」

京極先生は渡り廊下の男子寮との境界の扉の鍵を開けると、そのまま勇樹の部屋に向かうのだった。


「ちぇっ、まだ誰も帰ってきてないか、誰かに俺のこの姿を見せつけてやりたかったのにな」

そうつぶやきながら勇樹の部屋の扉の前に辿り着くと、勇樹の部屋の郵便受けに、テストのコピーを入れた。


「よし……と、これで俺は数学は満点だな。さて、それじゃ、京極先生の部屋に……いえ、私の部屋に行くとしますか」

そう言うと、京極先生は満足げな表情で女子寮の309号室に向かうのだった――




移身(第4話)……おわり


第五話へ


あとがき

と言うわけで、今回は京極先生の立場を使って生徒会長である美保子にオナニーさせ、その様子をDVDディスクに収めるところでした。
普段の京極先生と違う態度。
不審に思いながらも、退学という言葉を突きつけられると従うしかないんですねぇ。
勇樹も罪な男だ(笑
それでは最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。

ecvtさん&Tiraでした。