リターンでガールよ!
第3話
「は~い おつかれさまです」
ドラマに使うシーンを無事撮影が終わった監督が言った・・・
「あ~ 終わった 終わったね 青木さん」
「香澄ちゃん、ちょっとスケジュールの打ち合わせに時間がかかるから、職員用の喫茶店で何か飲んで待っててくれる?」
「うん わかった!」
マネージャーと別れ喫茶店に行こうとしたとき、小さい女の子に香澄は呼び止められた
「香澄ちゃん・・・」
え?
「香澄ちゃんも、喫茶店にいくの?」
だれだっけ? どこかで見たような・・・
「う うん そうだよ」
「洋子もね 今から行くんだ~ 一緒にいきまちょ!」
ようこ? ああ思い出した、同級生の娘だったな
「うん いこう いこう!」
やれやれ、これで道に迷うことはないわい
どこを向いてもスタジオだらけの廊下を歩き、喫茶店のある階までエレベーターに乗って移動した
さすがに幼児の身体となると、ボタンには届かないものだ
でも、洋子にとっては手馴れたもので、入って左右にある障害者用のボタンで、喫茶店のある階を押した
これなら、手が届かない縦長配置のボタンを使わなくても済むわけだ・・・
考えているうちに、喫茶店のある階にエレベーターは着き、ドアがゆっくり開いた
「いらっしゃいませ! お客様は二名様ですか?」
女子高生?と思われるウエイトレスから声をかけられた
「うん、いま 二人だけど あとでマネージャーが二人くるの」
洋子は驚いているわしをみてか、ウエイトレスに話した・・・
「じゃ こちらへどうぞ・・・」
洋子とわしは、ウエイトレスに連れられて、出演者用と書かれた部屋に通された。
「ね~ ね~ 洋子ちゃん、喫茶店で座敷って面白いね(笑)」
喫茶店内は爆笑の渦に巻き込まれていた・・・
子供らしさをさらけだすために言ったわしだが、ウケたのでわしは気分が良かった
まだ顔が歪んでいるウエイトレスに、7の数字が書かれている和室に入るよう言われた
「では、ご注文が決まりましたら、そこにあるボタンを押してください」
「は~い」
笑っていたウエイトレスは、レジのほうへ去って行った・・・・
「ねえ ねえ 香澄ちゃんはさあ・・・・」
洋子は、オレンジジュースを飲みながら香澄に話しかけた
「なあに?」
香澄は、答えるとともに、クリームソーダーについているアイスクリームを夢中で食べていた
「さっき気がついたんだけど、あなた入れ替わったでしょ?」
香澄は、アイスを食べるのをやめ、洋子の顔を見た・・・
「洋子ちゃん 入れ替わるってなに?」
なぜわかったのだろうと不思議に思う香澄だった
洋子は、ニヤニヤして話を続けていった・・・
「大丈夫よ 香澄ちゃん、入れ替わった者同士わかるように ちゃんとなっているんだからね」
「別に警戒しなくてもいいわよ 私もあなたと同じ仲間だしね」
「えっ 洋子ちゃんも 同じだったの?」
「へっへ~ 幼稚園の先生からね こう言われたんだ・・・」
「洋子ちゃん、今日から香澄ちゃん入れ替わったから、あなた仕事仲間だし色々と面倒みてやってね」
「とね、通園バスに乗る前に はなしがあったの」
「ふ~ん そうだったんだ・・・」
「じゃあ 洋子ちゃん、先輩ってわけだね」
「う~ん 先輩は先輩だけど、いまの年で先輩って 呼ばれたくないな(笑)」
「きゃははは それもそうだね(笑)」
話が盛り上がって時間が、瞬く間に過ぎていった・・・
「お~い 香澄ちゃ~ん!」
「お~い 洋子ちゃ~ん!」
「あっ マネージャーさんだ・・・」
どうやら打ち合わせが終わって、迎えにきたらしい・・・
「じゃあ 洋子ちゃん 詳しい話は明日また幼稚園で話そうよ」
「うん そうしよう!」
香澄と洋子は手をつないで、レジのところで待っているマネージャーへ駆け出して行った
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2001年に作成された作品です。
あるHPに掲載されていたんですが、仮掲載以外不可(笑)になりましたので、CD-ROMに入れっぱなしでした。
この作品は、長期連載を目的に作成しています。
番外編(未公開)も作成してますので、その作品は別の投稿先に掲載させていただきます。
番外編も長いですよ。
投稿先は、ゆいゆい日記で案内します。