囲碁 - オンライン/ルール

ゲーム開始

 /join コマンドでゲームに参加することができます。2人のプレイヤーが揃ったところで、/startコマンドを入力するとゲームが始まります。ゲームツールを使用すればボタンクリックで同様のことが行えます。

ゲームの目的

Spielfeld

このゲームは、自分の石で相手よりも多くの領域を囲むことを目的とする陣取り合戦です。自分の石で囲んだ領域を「地(じ)」といいます。
「地」の大きい方のプレイヤーの勝ちとなります。



 「地」は「1目(もく)」「2目(もく)」と数えます。

画面

Spielfeld

画面左上にプレイヤー名が表示されます。手番プレイヤーには*印がつきます。背景の色がそのプレーヤーの石の色です。名前の下の数字は、アゲハマ(捕獲した相手の石)の数です。
 [TEACH],[COORD],[SAVE]ボタンは検討モードで使用します。

 その下のボタンはゲーム中の終了手続き時に使用します。
 (一番下は、投了ボタンです。)

ゲームの進行

着手

 ゲームは(「置き石」のハンディキャップが無いときは)黒の手番から始まります。

 手番プレイヤーは、盤上の空いている線の交点に自分の石を1つ置きます(この動作を「石を打つ」、あるいは単に「打つ」、「着手する」などといいます)。石のない交点であれば、一般的のはどこでも置けるルールです。
※ ただし、後に詳しく記述しますが「自殺点」への着手は禁止、「劫(コウ)」の形が生じたときは一時的な着手禁止点のルールがあります。

呼吸点

Freiheiten

 盤上はタテ、ヨコの線で結ばれており、着手点からはそれぞれタテヨコにつなかっています(ナナメはつながっていません)。盤上に置かれた石からつながっている隣の点を「呼吸点」といいます。
 左図のように、隅に置いた石には2つ、辺に置かれた石には3つ、中央に置かれた位置には4つ呼吸点があります。また、2つ以上の石がつながった一団は、その一団に含まれる石のそれぞれの呼吸点の総和がその一団の呼吸点になります。(左図の例で、A−Bの黒2子(*)呼吸点は6つ、C-D-Eの黒3子呼吸点は7つということになります)

(*):石は「1子(し)」 、「2子(し)」と数えます。

石の捕縛

Atari

もし、全ての呼吸点を相手の石で塞がれてしまったときは、相手側の捕虜となり盤上から除去され相手の手元に保管されます。

 1つ、もしくは、2つ以上の石の一団で、空いている呼吸点が1ヶだけになった状態を「アタリ」といいます。

Nach dem Schlagen

 上図の状態から、白がアタリのヶ所を占めた場合、このようになります。



(おまけ1) 取った石を「アゲハマ」といいます。「アゲハマ」はゲーム終了時に相手の「地」を埋めるのに使います。従って、石を取られることは盤上の兵力が減ることと自分の得点が減ることで二重の不利になります。

(おまけ2) とは言いながら、少数の石を囮にして相手の兵力を集中させ、そのスキに他所でより大きな利益を上げるのは高度な戦略の1つです。
 

自殺点(の着手禁止)

Selbstmord

 今着手しようとした石、もしくは、着手しようとする石を含む石の一団が自らの呼吸点をなくすような位置には(たとえ空きスペースと言えど)着手できません。
 左図のX点は、全て、黒からの自殺点となり、黒はここに着手できません。



問題: では左図右寄りの状態で、白が黒8子の真ん中に着手しようとした場合はどうなるでしょうか?
(X点の上下左右は黒石で占められており、白の自殺点なので着手禁止?)

 正解は次図。

Selbstmord

 一見すると、上下左右が黒石なので白の自殺点となり着手禁止に見えますが、よく見ると、実はまわりの黒8子が「アタリ」になっています。
 着手したときは、まず、周囲の(相手の石の)捕獲判定をした後、自分の石の自殺判定となります。ここは、黒8子の捕縛判定が先となりますので、左図の結果となります。

※上図の黒8子は、1目の自分の「地」を持っているように見えて、実は、取られてしまう石でした。では、絶対に取られない石とはどういうものでしょうか? これについては、技術的ヒントのページで記述しています。

劫(コウ)

Ko

 左図の場面、もし、白がA点に着手してXの黒石を取るとどうなるでしょうか?

Ko

 このような形になります。では、今度は黒がB点に着手してXの白石を取るとどうなるでしょうか?なんと、上図の形に戻ってしまいます。
 取って取り返したときに元の状態に戻ってしまう形を劫(コウ)といいます。ここで、お互いが石を取り合っていると盤上は全然進行しなくなります。
 そこで囲碁では「反復同形の禁止」というルールがあり、盤上が2手前の状態に戻るような着手を禁じています。上図から左図になったときに、黒は直ちにB点に着手することできません。少なくとも1手は他の場所に打ち、その後、この形が残っていたらあらためて、B点に打つことができます。
 よりテクニカルの説明は、技術的ヒントのページで記述しています。.

対局

 それぞれの手番で、着手を行っている間はゲームは続きます。
 囲碁では、もうこれ以上打つところがないとあなたが思ったとき「パス」することを認められています。このときは相手の手番となります。一度「パス」したも、再び自分の手番が来たときは着手することができます。相手も続けて「パス」したときはゲームの終了となり、スコア計算のための終局手続きに移ります。

終局

Passen

 両者が続けて「パス」したときはゲーム終了となります。

Passen

 両者がパスして終局となったとき、コンピュータは、一色の石で囲まれた閉空間をその色の「地」と判定し交点にその色の丸印をつけます。

Entfernen

続けて、盤上に残っている死石をクリックして除去します。左図のケースでは×印のついている黒石がそうです。
「死石」とは、どう打っても取られることを回避できない(※)石です。このような石は、「呼吸点」を埋めて取りきるまでもなく、このまま立ち枯れとして「アゲハマ」となります。

※「自分『だけ』が続けて何手も打てば助かる」というようなものは、取られることを回避できる石とは言いません。例えば、下側中央の×印のついている黒石は、「自分『だけ』が4手続けて打てば助か」りますが、当然、白はぎりぎり危なくなったところで対応してくるでしょう。
 自分だけが着手することを期待して打ち続けるのは(超初心者には、しばしば見られることですが)見苦しいだけでなく、相手の地に自分の死石を増やす手は相手の得点を1つずつ増やしているので、よく見極めましょう。

Gefangene entfernt

全ての死石をクリックして除去したら[Beenden]ボタンをクリックします。最終的な「地」の確定となります。

Undo(アンドゥ)/Continue(対局に戻る)

 死石を除去をしているときに、クリックミスで誤った石を「死石」としてしまったときは、[Undo]ボタンで修正することができます。また、死石の判定で両プレイヤーの意見が一致しないときは[Weiterspielen]ボタンをクリックして、終局処理を中止し対局に戻り、決着をつけます。対局の戻ったときは、最初に「パス」したプレイヤーから対局を再開します。

投了

 これ以上続けても勝機なしとして負けを認めることを「投了(とうりょう)」と言います。投了するときは、[Aufgeben]ボタンをクリックします。
 投了したときは、20目差としてゲーム結果に登録されます。

(※※) 囲碁では、本来、勝ち負け(あるいは引き分け)の結果のみが問題で、ゲームの得点差はまったく付随価値を持ちません。だからこそ、「投了」というゲームの打ち切りがルールとしてあるのでしょう。ですが、点数を問題にするのはBSWのスコアのシステムとしては致し方ないところでしょうか。

計算

Abrechnung

 それぞれのプレイヤーの点数は、それぞれの「地」の交点1つにつき1目、これにアゲハマの数を加えます(※)。さらに、ハンディキャップの無いゲームでは、先手である黒が有利なので、その有利さを補うために白6点が加算されます。(これを「コミ」といいます)
(※)現実の集計作業としては、「アゲハマ」の数分は相手の地を減算するのが正しいですが、まあ、意味は同じでしょう。

 左図の例では、黒地は7目、白地は28目。さらに白は「アゲハマ」が14個なので計42目となり、42-7で白の35目勝ちとなります。
 E4,F3の点は、どちらの地でもないので、中間点としてどちらの得点にもなりません。
 勝者は、お互いの点数の差の分だけスコアに記録されます。敗者は0点が記録されます。

オプション

boardsize(盤の大きさ)

ボードの大きさは9路盤、13路盤、19路盤の3種類が用意されています。
BSWでは、特に指定しなければ9路盤を使用します。(ちなみに、正規の囲碁の対局は19路盤を使用します)

time(持ち時間)

[書式]:/option time 1..60 では、それぞれのプレイヤーの持ち時間(分)を設定します。自分の手番で要した時間が持ち時間から引かれ、残り時間が0となるとゲームの形勢の如何にかかわらず自動的に投了となります。もし、ネットの接続が切れたときはタイマーは停止します。
[書式]:/option time 0 は、持ち時間を設定しないことを意味します。

byoyomi(秒読み)

 1回の着手を指定の秒数以内に行うようにします。指定の秒数以内に着手しなかったときは時間切れ負け(投了と同等の扱い)となります。
 持ち時間の設定とあわせて行うときは、持ち時間の残りが指定の秒数以下になったところで、1回の着手を指定の秒数以下で行わないといけなくなります。

(※)
 一般的に、アマチュアの大会やネット囲碁の「秒読み」は、自分の持ち時間を『使い切った後』から秒読みが始まります。ですが、BSWでは持ち時間の残りが「秒読み」で設定した時間未満になったところから秒読みが始まり、残りの持ち時間が0となったところで時間切れ負けとなります。(ある意味、プロの「秒読み」っぽい?)
 ネット囲碁などをよく経験している方は、この違いに注意しましょう。

handicap(置き石)

 ハンディキャップを設定します。強さの異なるプレイヤー動詞の対局でも互角の勝負となるように、弱いほうのプレイヤー(黒石を持ちます)は、ゲーム開始時に定められた場所に複数の黒石を置きます。(これを置き石といいます) この状態から対局を開始します。置き石があるときは、白の手番から始まります。
 ハンディキャップを設定したときは、通常の状態では次に説明するkomi(コミ)はなくなります。(手動で「置き石」と「コミ」を併せて設定することはできます)
 ハンディキャップ 1と設定したときは、通常のゲームと同様に黒の手番から開始し任意の場所に着手できます。(ハンディキャップ 0との違いは、コミがなくなっていることです)

komi(コミ)

 囲碁は黒の手番から始まりますが、先に着手を始めることは明らかに有利です。その有利さを補うために、ゲーム終了時に、白に追加の得点を与えます。これを「コミ」といいます。
 特にこのオプションの指定がない(かつ、handicapの設定が無い)ときは、白に6目のコミが与えられます。(/komi 6を設定したのと同じ)
 BSWでは、コミは-6〜9まで設定できます。マイナスの数字を設定したときは、ゲーム終了時、白ではなく黒にポイントを加算します。お互いの強さの調整として置き石を設定しますが、コミの数字を変えることでより微細の調整を行えます。

rule(地計算方式)

 囲碁の「地」の計算方法は、世界的には大きく2つの方法があります。ひとつは日本式でもうひとつは中国式です。
 実はこのページのここまでの説明は、日本式を想定した記述になっています。
 違いは、日本式では得点の計算は
 点数:=「地」(=自分の石で囲った閉空間)+アゲハマ+コミ
 となります。これが中国式になると、
 点数:=「地」(=自分の石で囲った閉空間)+盤上に残っている自分の石の数+アゲハマ+コミ
 となります。

 上の計算の図の例で「E4,F3の点は、どちらの地でもないので」とし、日本式の場合ここに石を置いても価値が無いので放置したまま終局処理をしてますが、中国式ではこの部分に着手することが1目の価値を持ちます。ルールを勘違いして、この点をパスして相手に譲ってしまうと、相手に点数を稼がれることになります。

(コラム)
 中国式の計算と日本式の計算では同じ結果になるのが一般的です。(といっても、日本式でいうところの中間地点への着手が、黒で終わるか白で終わるかで日本式の計算方法とは1目の差異を生じますが)
 ただし、特殊な状況においては(具体例は省略しますが)、もっともっと大きな差異を生じることもありえます。

 日本式の場合、一見、無駄な手を省き得点計算の対象もコンパクトで洗練された感があります。一方、中国式の場合自分の石で囲った閉空間の点と自分の石のある点は同じ価値なので、自分の地の中に自分の石を置くことが「一目の損にならない」ためルール上の紛れが少なくなるといった利点もあったりします。
 例として(ひょっとして相応しくないかもしれませんが)日本式では、特殊ケースとして「隅の曲がり4目は死」(具体内容省略)という「ルール」として死を定めた形がありますが、中国式では、こんなわざわざこのようなルールを定めなくても通常の進行の範囲でこの形の石を召し上げることができます。