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身体考察 2020年

 

2020年12月30日(水)

今年一年を振り返り、仕事において学ぶ一年となった。

未知のものに対する恐怖と不安によるストレスというものが肉体と精神にこれほどまでに悪影響を与えるものなのかと。

新型コロナウイルスの感染拡大による、不安感によるストレスは肉体を緊張にさせ精神を乱れさせる。

普段とは違う生活環境や外出自粛要請によって自分の意思で行う自粛と違い、半強制に近い自粛生活を強いられた場合とでは心と体に与えるストレスに違いがあり心と体を過緊張状態にさせる。

行動を制限された環境でのストレスによって意識を低下させ、怠惰にさせ、運動不足にさせる。

マスク着用を余儀なくされ、夏の猛暑であってもマスクの着用を強要され、着用し続けることのストレスで偏頭痛や体調不良を起こすようになる。

新しい生活スタイル、就業スタイルを推進されたが、(喜んで適応した人もいるが)人は新しい生活スタイルにはすぐには適応できず、逆にストレスを感じてしまっている。

感情的な歪みや生体リズムの乱れによるストレスは、多くの人々を悩ませ、苦しめていったが、また逆に時世にへこたれずに新たな取り組みをし活動されているお客様を見て勇気づけられることもまた学びの一つでもありました。

そして何よりも私の仕事において、思いやりの心を忘れずに知識や技術を深めていく、ことがポイントだと学ばせて頂いた。

 

 

2020年12月24日(木)

コロナ禍を境にして、スマホなどを使用する機会が増え、そして就業スタイルの変化によってパソコンを使用しての作業が増え、座る時間が長くなり、ますます手足を動かすことをしなくなってきていると思われる。

つまり運動不足に陥っている。運動不足と言っても筋トレや有酸素運動のことではなく、四肢の動きの流れを通じての全身を動かすということ。つまり手足を大きく動かし可動域を広げながら全身の筋肉と腱を伸縮運動させるということです。

運動不足というよりも四肢の可動不足と言ったほうがよいのかもしれません。

別に定期的にジムに行ってトレーニングしたり、よくジョギングをしているから大丈夫という方がおられるでしょうが、やはり四肢を大きく動かす、特に肩関節と股関節をよく可動させ筋肉と腱を伸縮性を保つようにしていかなければ四肢の関節の筋肉と腱を拘縮させその流れから体幹を過緊張にし脊柱・体幹を拘縮させ体勢が次第に偏った状態にあり続けるようになり、そして脳脊髄神経の乱れを引き起こすようになります。

それによって回復力が低下し慢性化させていくことで肩と首の痛みと違和感をはじめ、背中、腰、臀部に痛みを発するようになります。

人は競技型のスポーツや特定のトレーニングを行うことに対しては意識は向くが、普段から四肢を単純にゆっくり大きく動かし全身の流れで体を動かしやわらげることはしない。年を重ねていくにつれ増々しなくなる。

もちろんジョギングをしたり、各ジャンルのスポーツを行ったり、ジムにいって特別なメニューのトレーニングすることも体のスタミナや筋力を保つために必要な運動ですが、肩と股の関節を大きくしっかりと意識的に動作させながら全身を動かすことも、体を基本的に動かす機能を保つために最も必要不可欠な運動だと認識して頂ければと思います。

 

 

2020年12月10日(木)

椅子から滑り落ちたり、何かの拍子に尻もちをついて尾骨(尾てい骨)を打撲してしまったという経験が一度くらいはあるのではないでしょうか?

たかが尾骨の打撲といっても打ち具合によっては、痛みが治まった後で他の箇所に痛みをおこす恐れがあります。

例えば、尾骨の打撲によって尾骨周辺の筋肉と腱が拘縮し、同時に臀部から坐骨神経節に沿って大腿部が緊張することで後で神経痛のような痛みを起こしたり、打撲のショックにより膝に痛みを起こすなどの例もあります。

また、尾骨は脊柱の末端にあることで尾骨を打撲すると直接脊柱にダメージを受けることとなり、それこそ打ち具合によってはダメージによって脊柱全体が過緊張と拘縮し、慢性状態になると仙骨部からの腰痛や背中の痛み、緊張性の偏頭痛、そして慢性的な体調不良を起こす引き金となる恐れもあります。

 

 

2020年11月30日(月)

いつも緊張感を持ち続けて仕事をしていたり、また何かつい考え込んでしまうことが多くあったり、こういったことも身体を過緊張にさせていきます。

だから時には『のん気でいる』ことも必要なのかもしれません。

心配事やストレス、不満を感じるのは現代に生きる人間の宿命ともいえ、完全に取り除くことはできないのかもしれませんが、でも時には『のん気でいる』ことが身体の過緊張を和らげる一番の方法かもしれません。

言葉だけで捉えると良い印象は感じられない人もいらっしゃると思いますが心と体は直結している。心の不調は、そのまま“目に見える症状”として現れることを理解しておかなければいけません。

 

 

2020年11月11日(水)

心当たりはなく、要因はわからないけれど今まで平気だったのに急に腰やお尻、背中など、どこか痛みをおこす例がある。

人間はどんな形(症状)で体の危険信号を出してくるかわからない。

考えられる要因を一つあげるとすれば脳の過緊張。

疲労、過労はもちろん、過度な思考によるストレス、日常で当たり前と感じ慣れてしまったと思い込んでいるストレスの蓄積で脳が過緊張となりピークに達してしまっているのかもしれない。

脳の過緊張のピークがこれまで感じずにいた偏って歪みを持った筋肉の緊張個所に神経痛のような形で表れたりする。人によっては耳鳴りなど感覚異常を起こしたり。起きる症状は人によって様々。

ストレスの蓄積は脳を過緊張にさせる。脳の過緊張のピークは自身には気づきにくい。

どこかに痛みがおきて、教えてもらって初めて自身の脳の過緊張のピークに気づくことがある。

人間という生物はとかく緊張とリラックスの切り替えが下手な生物である。

 

 

2020年11月5日(木)

近年の乳がん乳房切除手術は大胸筋は温存し乳房のみ摘出する手法が行われているが、進行具合によって乳房周囲の大胸筋を切除する必要があり、小胸筋を残し大胸筋を切除された場合、手術後、腕の運動機能障害以外に、日常生活を送っていくなかで少なからず徐々に身体に影響がでるようになると見られる。

大胸筋と小胸筋は腕の運動や呼吸をさせるだけでなく、上半身の平衡バランスを補正し保持する働きがあると考える。

身体の平衡バランスを補正し保持する筋肉を片側失ったことで身体のバランスを無意識に保つ力が減り、バランスが崩れ、体勢が切除側へ傾いた状態になる。その身体のバランスの崩れを残った小胸筋や他の筋肉を拘縮、緊張させることで体勢を立て直すようになるのだが同時に脚に負担をかけていくことになる。

小胸筋が拘縮し、またリンパ節切除で腋窩も拘縮させていくと頭蓋骨、頸椎が切除側に引っ張られる形で転位し、切除側の肋骨をゆがませ肋間筋を拘縮させていく。小胸筋と肋間筋の拘縮が高まるにつれ重心が低くなり、切除側の対称となる脚に重心をかけ続けていく体勢へとなる。それよって脚への負担と緊張を高めていくこととなる。

手術を受けた年齢と身体状況によって影響の差はあるが、術後数年以上経過し、年を重ね、筋力と柔軟性が低下させていくと重心負荷が増加し、大腿筋群が緊張し、下肢関節のゆがみと腱の拘縮を高めていき、時間を置いて大腿筋群の張りと痛みが起き、加齢に伴い下肢関節の異常、特に大腿骨にかかる股関節と膝関節に悪影響を及ぼし、下肢運動機能の低下、腰の痛み、神経痛などの症状を起こす恐れがある。

肩周辺の筋肉の筋力と可動域の低下を防ぎ、残している筋と腱を拘縮させてしまわないことが予防につながると考えます。

 

 

2020年10月24日(土)

人間の筋肉のなかには、我慢、忍耐から起こる心身の疲れやストレスを一身に受け止め吸収してくれている筋肉が幾つかある。

その一つが、大腿(太もも)である。

大腿は運動性の負荷からくる疲労や緊張を吸収し身体の負荷を軽減させるだけでなく、精神性、神経性の脳の緊張から起こる心身の疲れやストレスに対してもダメージを吸収し、無意識に緊張させ身体を保護してくれています。

しかし、太い大腿であっても心身の疲れやストレスに対しては、個人によって違いはあるだろうが、心身の疲れやストレスを吸収できる許容量があると思われる。

運動性による疲労に関しては休養と栄養を摂取することで発達し強くすることになるが、精神性、神経性の心身の疲労に対しては発達することはなく、許容量を超えると大腿全体が過緊張を起こし、柔軟性が低下し、次第に骨盤から脊柱を同時に過緊張にさせていく。

例えるならスマホのようなもの。スマホの容量を越えれば重くなり、うまく作動しなくなるように、大腿も許容量がいっぱいになり限界となれば、体の不調や腰、首など局所に痛みとなって知らせてくる。

無意識の大腿の緊張を溜めていかないようにするには小まめに大腿全体を叩いてほぐすことも良いが、最適なのは"貧乏ゆすり”と思っています。

 

 

2020年10月10日(土)

今年の夏を振り返り、危険と思えるほどの気温の暑さが要因で体調を崩すだけでなく、なぜ局所に急激な痛みを起こすことになったのか、生体状態を考え直してみた。

施術を行うことで暑さで身体に熱が籠り、脳、脊柱神経をも熱を帯びさせ脊柱神経の異常と末梢神経の過緊張から局所に痛みを起こしたとまでは推測できたが、なぜ急激に局所に痛みが発したのかまではわからなかった。

正直言って、まだ推測の域を脱していないが脳、脊柱をはじめ、身体全身が熱を帯びたことで局所あるいは全身が炎症反応を起こしていたのではと推測しています。

炎症は様々な侵襲に対する生体の局所的あるいは全身性の反応であり、細胞が侵襲性の反応を起こすことである。

炎症は外傷によって起こるだけでなく、今年の夏のような炎暑の気温、長時間マスク着用など肉体的に過度なストレスが伴う状況によってでも脳脊髄神経を通じて局所、全身に炎症反応を起こさせていくと考えられる。

ただし、炎症の徴候として、まったく痛みを伴わない炎症もあり、炎症があれば痛みが起きるわけでもない。痛みの伝わりは筋線維の収縮度合いによって違いがある。

局所に激痛を起こした方は炎暑ですでに脳脊髄神経を通じて全身が炎症反応をおこしており、負荷を掛け続け慢性的に拘縮している局所に強い炎症反応を起こし痛みを発生させたと推測する。

若いうちは炎症を鎮めることができるが、年を重ねることで細胞が硬くなっていくために炎症を鎮めきれずにいる。

 

 

2020年09月24日(木)

マスクを着用し続けることで、なぜ偏頭痛を起こすようになるのか?

二つの要因によって起こすと考えられます。

一つ目は口周りがマスクに覆われているためマスクの中が二酸化炭素で充満し酸欠状態に陥っている。二酸化炭素が充満した口周りは体温によって熱が発生しマスク内を熱で籠らすこととなる。そして、酸素を取り込むため血管を拡張させ、頭周りの神経を圧迫し刺激している。

二つ目としてはマスクを着用で浅い呼吸しかできず、さらに呼吸を酸素を取り込むために呼吸器筋の力をさらに使って呼吸を行うようになる。特に肩と胸郭出口斜角筋の力を不随意に使うようになり、肩と胸郭出口の緊張と同時に首と頭部を持続的に緊張させていくこととなります。

この二つの要因とマスクを着用をするといったストレスが長期に続いていることで緊張性の偏頭痛を起こすと考察します。

長時間マスクを着用しないといけない状況にある方は時々にでも口周りと首周りに濡れタオルなどを当て、マスクの着用で籠り帯びた熱を冷まし緊張をやわらげる対処をされたほうがよいと考えています。

また口を大きく開いたり閉じたり、変顔などをして顔面と頭の緊張をほぐしてみても予防につながるのではと推測しています。

 

 

2020年09月14日(月)

オンライン、テレワークで仕事をするようになって、いつのまにか猫背なってしまったという方いらっしゃいませんか?

オンライン、テレワークが普及し始めたからというわけではなく、パソコンなどを使用して長時間のデスクワークで疲労すれば、だんだんと背中が丸くなり猫背になっていきます。今に始まったというわけではありません。

このような猫背による姿勢の悪さは直接、背中におこるわけでなく、ほとんどが首と腰が緊張し体全体が縮こまった状態が続いた結果によるものです。

パソコン画面は頭の位置より下にあるためにパソコン画面に目線を無意識に合わせるようにすることで首と腰を緊張し縮めた状態になります。

目線をパソコン画面に合わせ頭を落とすことで重心が首と腰に負荷をかけ、長時間の座位姿勢をすることで腰椎と骨盤全体の筋群が拘縮し、アキレス腱の筋力と柔軟性の低下で脊柱起立筋を連鎖的に拘縮させてしまうために姿勢が丸くなっていきます。

そして腰と首の緊張を可動が少ない胸椎に移すようになり慢性的な疲労により背中の筋肉が拘縮し、また肩の関節の運動不足が要因で肩甲骨が引きあがり、僧帽筋、小胸筋が慢性的に拘縮していくことで次第に姿勢が猫背へとなります。

一番の要因は四肢とアキレス腱を運動不足にさせてしまうことで、四肢とアキレス腱を慢性的な運動不足にさせると姿勢を立て直す体幹の筋力と柔軟性が低下させていくようになります。

予防法、解消法は、新型コロナによる自粛が行われて時期から説明してきたとおり、四肢の関節を大きく運動させ体幹の伸縮を促すこと。そして踵を上げ下げさせなどの伸縮運動を行いアキレス腱に刺激を与え、筋力と柔軟性を低下させないようにしましょう。

そして、できれば30分、1時間に一回は立ち上がり、力まずに背伸びをし、大きく深呼吸をして気分転換をし、詰まった息を体から出させていきましょう。気分がほぐれていけば自然と姿勢もよくなっていきます。

 

 

2020年08月26日(水)

今年は昨年以上の暑さです。危険といっても過言ではないくらいの暑さです。

それに新型コロナ感染予防のためにマスクを着けることが多くなったことで体に熱が籠りやすくなるリスクが高まっています。

この危険な暑さは、これまでの暑さによって身体が熱を帯びた状態を越え、脊柱と小脳から熱を帯びさせてしまっていると思われる。

脊柱神経を通して小脳に熱を籠らせ、代謝による熱疲労があるにもかかわらず、ほとんど自覚が少ないまま日常を過ごすこととなる。

それにより脊柱神経の異常と末梢神経の過緊張から身体の負荷と疲労が集中している箇所に神経性疼痛をおこす恐れがあり、神経性の腰痛、腰のだるさ、就寝中ふくらはぎの外側が攣る、ふくらはぎが張って痛むなどの症状がおき、疲労状態によっては体を動かせぬほど腰や背中に激しい痛みをおこすといった症状をおこす恐れがあります

また、この危険な暑さとマスクを着用など様々ストレスからなのか、臓器の副腎をも疲労させているとみられ、副腎の疲労が要因で慢性的な体のだるさ、疲労感、緊張性頭痛といった症状をおぼえる方が多く見受けられます。

対処法と予防法としては体をクールダウンさせる。ぬるめの温度のシャワーを浴び、また就寝する際は、アイス枕を使用するなどして体に帯びた熱を冷まし興奮し緊張した神経を落ち着かせ、鎮めることが必要と思います。身体の局所に痛みやだるさがおきた場合はアイシングをするように痛みやだるさをおこしている局所を冷やしたほうがよいと思われます。

そして食欲があまりなくとも、無理にたくさん食べる必要はありませんが、できればチーズ、豆腐などの良質のタンパク質を摂り、暑さと様々なストレスに耐え得る体をつくり、体を守ることを心がけて下さい。

 

 

2020年08月13日(木)

身体の身体機能を改善させていくためには『他動』による改善と『自動』による改善の2つ方法を行うことが望ましいと考えています

『他動』による改善は、施術者が不調に悩む患者(説明がしやすいようにするため敢えて「患者」という言葉を使用させていただきます)に対して、手技療法を始め、各種療法を施し、痛みが発生させていると思われる筋・腱の拘縮をやわらげることによって筋肉と関節のゆがみを解消させ身体機能と神経を安定へと向かわせ改善に導くことです。

患者自身では難しいと思われる細かい筋肉の緊張や腱の拘縮箇所、身体のゆがみを発見し調整し、解消させることで平衡バランスと重心バランスを安定させ偏って身体にかかる負荷をやわらげ軽減させていくことを施術者が行う。

そして『自動』による改善は読んで字のごとく患者自ら体を動かして行い身体の不調を改善へと向かわしていくことでです。

施術を受けた後日、この『自動』による改善を実践し継続して行って頂きたい思っています。

『自動』というとリハビリ(ここでは運動器リハビリを指します)を思い浮かべるでしょうが、リハビリは身体機能の低下を回復させ日常生活を支障が少ない状態にさせることを目的とするため、力の入れようによっては四肢とくに下肢の筋肉に偏りができる恐れがある。身体機能を回復させていくことは共通でも体のゆがみを解消へとはいかないと私は考察しています。

『自動』は患者ご自身が四肢、体幹のゆがみを解消させていく方向へと体動かすことで関節の筋と腱をやわらげ、筋肉の弾力を回復させ、身体が安定した状態に至っているということを運動神経を通して脳に認識させ、年齢と個々の身体に応じ、徐々に時間をかけ身体機能を回復させていくことに狙いがあります。

『自動』を行い続けることは筋肉の流れと重心位置が変化するので、今まで感じなかった箇所に痛みや違和感を感じる反応が必ず起きます。
この反応が起きたときにまた『他動』を受けることで改善させていったり、そして時間をかけて身体と脳神経を安定した状態に慣れさせていくのです。

『他動』と『自動』を並行して実践して頂くことが望ましいです。ですが、個人の身体状況によっては思うとおりに順調に改善へと向かわない例もあります。『他動』を受けた後、来院できない、しない期間を少しでも早く改善へと向かわすためにも『自動』も積極的に行って頂きたいと思います。

ただし『自動』には休息するということも含まれます。

 

 

2020年07月24日(金)

下肢関節を人工関節に置き換えることは、損傷し回復の見込みがない関節を器械の力を借りて痛みの無い関節で安定した歩行を再び取り戻すために大変意義がある医療であるが、人工関節に置き換えたことによって健常にある関節、腱、筋肉に負担をかけていくようになる。

人間は運動によって発生する体や関節への直接の負荷を身体を捻る(『捻転』)による作用によって逃がし回避しやわらげていく。

股間節、膝関節を人工関節に置き換えた下肢は転位とゆがみのない状態にはなるが、人工関節は規定範囲の可動しかできず、柔軟に捻転作用での力の方向転換ができなくなるため、重心の負荷が健常にある関節の腱や筋肉に直接移すようになり、そのために慢性的に負荷がかかり続けると、健常にある関節、腱、筋肉を悪くさせていく。

股関節を人工関節に置き換えた場合、股関節が安定した状態になった分、腸骨が固定された状態になり、腸骨と腰椎の捻転動作ができず仙腸関節をはじめ腰椎の腱と筋肉を柔軟性と弾力性が低下した状態となり腰に痛みを起こさせるようになる。

膝は股関節、足関節にかかる負荷を膝の角度を変換させることで関節と身体にかかる負荷を回避し弱めているが、人工関節に置き換えていくと、直接、股関節と腰椎に負荷をかけ続けていくようになるため、腰椎筋群と股関節周辺の腱、筋肉を拘縮させてしまい股関節の屈曲能力が低下する。また置き換えた側の股関節が負荷に堪えられない状態になれば、その重心の負荷を反対側の下肢へ移し、健常にある膝を痛める恐れがある。

人工関節置き換え後に起きる体の負担は今後、人工関節の構造の精度がさらに上がらない限りは免れることはできないでしょう。人工関節置き換え後に起きる体の負担をやわらげるためには、専門医の指示と忠告を守り、指導された運動とストレッチを行う、特に健常にある関節の筋肉と腱が硬くなり柔軟性と可動域が低下させていかないように心がけ、定期的にケアをすることが必要でしょう。

 

 

2020年07月07日(火)

新型コロナの影響で在宅勤務のスタイルが増え、一般化されつつあることで出社勤務を行うよりも椅子に座る時間が長くなり腰痛を起こす人が増えてきていると思われる。また中には、ふくらはぎが張ってだるさを訴える人もいる。

この腰痛に関しては、以前にも説明していたように長時間座り続けていることで四肢が運動不足になり無意識に偏った座り方をしてしまっているために坐骨から骨盤全体を過緊張状態にさせ次いで腰椎と腰椎筋群を拘縮させていることで腰痛を起こしている。

そして、ふくらはぎが張ってだるさを感じるのは長時間座り続けているために足への刺激が少なくなり、ふくらはぎの筋力が低下し血流が悪くなっているのである。足のゆがみの状況によってはむくんだようになる人もいる。

この腰痛もふくらはぎの張り、だるさも簡単に言ってしまえば一種の『エコノミークラス症候群』のようなものです。

在宅勤務中でも可能なら30分、1時簡に一回は立ち上がり、その場で足踏みをしたり、背伸びをしたりと体全体を大きく運動させることで筋肉、腱をやわらげ血流をよくするように努め予防を心がけることが必要です。

 

 

2020年06月24日(水)

左右の胸郭出口斜角筋に熱感がみられた場合、体温の上昇変動があると考えるべきである。

前回に記述したように風邪や生理中などによる体温の上昇変動でも胸郭出口斜角筋に熱感としてあらわれる。

特に梅雨の時期や猛暑の夏の季節は胸郭出口斜角筋によく熱感があらわれる。

それは気づかぬうちに熱中症に陥り、体内に熱が籠った状態にあるために自律神経が乱れを起こしている証でもある。今の時期、体が重だるく体調が安定しない、また胃腸に違和感があるという症状がみられる方は必ず胸郭出口斜角筋に熱感があらわれている。

熱感がみられた状態にある方に対しては胸郭出口斜角筋の過緊張状態を緩和させ、また他の熱反応を起こす部位の緊張を緩和させることで体内に籠った体熱を放散させることができる。

そして体を涼しい場所で休め安静にし、体に熱が籠ることがないように予防と対策を心がけて頂く必要がある。

 

 

2020年06月12日(金)

内臓に疲れ、不調などは背中など体の表面に反射(内臓体表反射)してコリや痛みとして表れることがあります。

斜角筋は腎臓の反射筋のひとつである。過労などによる慢性疲労により腎臓疲労があり腰にだるさと腰痛を起こしている場合に胸郭出口斜角筋が拘縮して表れる。

しかし斜角筋に拘縮、痛みがあれば必ず腎臓が悪いとは考え難いが骨盤を治し、腰痛が解消されても胸郭出口斜角筋が慢性的に拘縮し斜角筋にコリや痛みがあるようであれば腎臓に異常があると思われる。

また風邪、熱中症、女性の生理による体温の上昇変動に対して胸郭出口斜角筋に熱反応がみられ体温異常を確認することができる。

 

 

2020年05月15日(金)

新型コロナウィルスの感染拡大防止のために長期にわたる外出自粛生活と自宅でテレワークを行っていたことで肩に痛みを、次いで首、背中、腰に痛みを起こす方がいらっしゃいます。

その痛みを発生させる原因のほとんどが四肢の運動不足による体幹の歪みと拘縮。

行動範囲が狭く四肢を運動させず、姿勢を悪くさせながら長期に過ごしていたために広背筋がゆがみ、広背筋のゆがみが引き金で骨盤と左右肩甲骨が転位し上半身の平衡バランスが崩れたことで肩に負荷が集中するようになっています。そして、一日の大半をスマホやゲーム、パソコンなどをして過ごし、ほとんど肩の運動を行われていないために上肢帯内側筋群、胸郭が過緊張状態となり、特に胸部鎖骨下第一肋骨を拘縮させてしまうことで肩関節周辺の腱、筋線維をさらに拘縮させ続けてたために肩に痛みが発生したとみています。

広背筋のゆがみと緊張、拘縮状態が持続し身体の平衡バランスが崩れたままで体幹が過緊張状態が続くと首、背中、腰にも痛みを起こし、また緊張性頭痛も引き起こすようになります。

とにかく手足を大きく動かすことが必要です。足は外から内に、開脚し閉じる運動を行う、腕は背泳をするように腕を後方に、背中、胸のまでしっかり動くように意識して顔が後ろに向いていっても構いませんのでしっかり大きく運動させることです。

またテレワークを行っていることで職場勤務と自宅勤務との緊張感の違いから身体が神経性の過緊張に陥っている方もいらっしゃいます。自宅勤務だと自宅にいることで多少の気のゆるみも働き、姿勢を崩してながらも意識は緊張感をもって仕事に向いているといったこれまでとは全く違う仕事に向かう環境、スタイルの違いで肉体と神経が対応できずにあり、そして外出自粛のストレスも加わって脳神経が疲労している状態にあるのかもしれません。副交感神経が高まっている体にあるのに交感神経を働かせている状態です。

そのような方の身体をみるとアキレス腱が緩んだような緊張感が見られる。足首を曲げ伸ばしさせアキレス腱を伸縮運動をさせることで心身に適度な緊張を与える必要があるかと思います。そして軽く汗ばむような適度な運動。

今後テレワークが常態化した社会になれば慣れていくのだろうと思いますが、それはそれで新たな現代病を生み出していくと思われます。

 

 

2020年04月30日(木)

正中線を正中に位置させることは体幹機能を安定させていくことに繋がる。

そして正中線を安定に保させることは脳脊髄の流れを促し自律神経を安定させることになる。

頭蓋骨の頭頂にある縫合、矢状縫合の緊張を防ぎ、脳脊髄液の流れのと滞りを潤滑へと促すようになる。脳髄液が潤滑に流れるようなれば不当な緊張によって拘縮した脊柱と体幹(胸郭・骨盤)がやわらぐようになり、不随に緊張することなく体を動かすようになれる。そして交感神経、副交感神経がうまく働き、神経性の疲労感が軽減する。

また正中線は経絡で表わすと督脈、任脈に位置し、督脈は脳、脊髄とも密接し、任脈は女性のホルモンと密接し共に正中を通っていることから正中線を安定させることは同様の効果をもたらすと考えられる。

 

 

2020年04月18日(土)

身体の正中線は軸作用の働きの強い下肢側へと移動し、下肢の軸線に近づき、ズレが高まることで平衡バランスが乱れ、身体に歪みを起こしていくとみられる。

軸線は股関節の大腿骨頭と鼠径部から胸鎖関節近くの鎖骨内側までを縦に位置し、正中線が軸線へと移動しずれることで大腿骨頭に負荷が掛かるようになり、大腿靱帯を緊張させ同時に大腿四頭筋をはじめ股関節周辺の筋肉と筋線維拘縮をさせるようになる。

正中線がズレることで軸作用に働く下肢はさらに軸作用と内旋率が高まり、支持作用に働いている下肢側に正中線が移動した場合、支持から軸作用に変化し、脛骨、腓骨の内転と足関節の内旋によって膝関節を歪ますことで軸作用へと転換させている。両下肢共に股関節の大腿骨頭と寛骨臼に負荷が掛かり緊張を生み、その股関節の負荷を逃がす形で骨盤の転位を起こすことになる。

上肢は軸線が鎖骨内側に位置するために胸郭出口斜角筋の緊張も手伝い鎖骨全体が内転することで肩関節の挙上運動域が低下するようになる。

上下が合わさり身体は正中線が移動しズレた側の側胸部が伸展し体が傾く状態となる。

 

 

2020年04月02日(木)

正中線とは、身体を正面から見た場合に頭部から恥骨結合までを縦に結んだ身体の中心である。

正中線が真ん中にあることで身体が左右対称にあり、均衡を保っていることをあらわす。

この正中線が中心よりズレを起こすと頭蓋骨を左右転位させ、頭蓋骨が転位することで脊柱、体幹をゆがみをおこさせることになる。、頭蓋骨の転位と脊柱をゆがみは脳脊髄神経を乱れさせ、四肢の筋肉と腱に不当に緊張うむことで身体機能の働きを低下させ、身体に力みを起こさせるようになる

さらに習慣的な緊張がその箇所に停滞することで緊張状態が慢性化し、神経や筋の活動をさらに低下させていくことになる。それにより様々な生活や心身の健康上に問題の原因となることがある。

 

 

2020年03月21日(土)

胸郭出口斜角筋の緊張、拘縮は、左右下肢の内・外転転位、重心負荷、関節の歪み、そして左右上肢の筋・腱・神経の緊張差によって生じる。

左右の上・下肢の転位・筋緊張差で平衡バランスが崩れた体幹の正中線のズレと歪みを修正させるために胸郭出口斜角筋を働かせる。

胸郭出口斜角筋の緊張と拘縮の働きは、体幹の正中線のズレを正中へと修正させ、身体の骨格筋と神経の均衡を保つことにある。しかし歪んだ状態で体幹の正中線を修正させていくために体幹筋群と脳脊髄神経を過多に緊張させていくこととなる。

 

 

2020年03月12日(木)

脊柱生理湾曲に歪みが発生し、脊柱が拘縮されていけば、腰椎と骨盤に負荷をかかっていくことはごく自然なことである。

腰椎の負荷は、胸郭出口斜角筋の緊張よる生理湾曲の慢性的な歪みと仙腸靱帯と仙結節靱帯が拘縮からの複合的な緊張し、体幹重心が低くなることでアキレス腱を重心負荷で不随意に収縮緊張させることでもたらす。

仙腸靱帯、仙結節靱帯と胸郭出口斜角筋は相互作用の関係にあると思われ、仙腸靱帯・仙結節靱帯の緊張と共鳴するように胸郭出口斜角筋が対称、非対称と連鎖的に緊張することによって脊柱起立筋の収縮運動で体を起こし姿勢を維持させていくが同時に腰椎に負荷をかけていくこととなる。そしてアキレス腱が体幹の低重心の負荷によって緊張が増し、柔軟性が低下すると脊柱起立筋の柔軟性も低下することとなり腰椎に掛かる負荷が強くなる。また慢性状態に陥いり後背筋群が硬直すると、さらに腰椎の負荷が増し、状態次第では腰椎椎間板を拘縮させていくようになると推測する。

 

 

2020年02月28日(金)

胸郭出口斜角筋の緊張と拘縮によって頸椎から胸椎までの脊柱が歪み、姿勢が悪くなれば、おのずと胸郭を緊張させていくこととなる。

胸郭出口斜角筋は胸郭を取り巻く呼吸筋の一部でもあるため、胸郭出口斜角筋の緊張と拘縮に連鎖して呼吸筋の仲間である肋間筋、前鋸筋を過緊張にさせていくこととなる。

とくに横隔膜を歪ませ、緊張させてしまうことは身体に悪影響を及ぼす。

横隔膜が歪み、過緊張の状態にさせ続けていくことで呼吸力が低下するだけでなく、筋肉を硬くさせ、身体の柔軟性を低下させていく。個人の体質と体型によって違いはあるが、呼吸筋でもある広背筋、大腰筋を拘縮するようになるため、人によっては足・腰に負担がかかり、人によっては猫背が高まるようになる。

また横隔膜の緊張は内臓の働きに負担をかけ、胃腸などに不調を起こさせる恐れがあります。

胸郭出口斜角筋の緊張と拘縮は身体に様々に影響させていく。

 

 

2020年02月22日(土)

胸郭出口斜角筋の緊張および拘縮の誘因で胸椎が後弯にさせてしまうことで頸椎にも負担をかけていくこととなる。

胸郭出口斜角筋の緊張および拘縮の胸椎が後弯されると首は自然に顔が前にでるような姿勢となる。

負担がかかった頸椎の状態を言葉で言い表すと頭蓋骨が下にさがった形となり頸椎の3〜7番負荷がかかり重い物を背負っているような感覚で僧帽筋をますます緊張させていくことになり、頭を起こし姿勢を維持させていくために頭板状筋、脊柱起立筋と脊柱神経を拘縮させていくこととなる。

姿勢をよくするために顎を引き肩甲骨をよせて行う、といった方法が言われているが、胸郭出口斜角筋の緊張または拘縮がある状態でその方法で姿勢をよくしようとする試みは、さらに胸郭出口斜角筋緊張と拘縮を強め、頸椎の負担をさらに高めてしまうことになると思われるので姿勢矯正法としてはよろしくないと私は考察しています。

 

 

2020年02月07日(金)

胸郭出口斜角筋の緊張および拘縮があると脊柱の生理湾曲に歪みが生じるようになる。

特に胸椎を後弯にさせてしまい、姿勢が前傾へとなり猫背へとさせていく。

姿勢が前傾となることで僧帽筋が緊張し、小胸筋が併用して緊張することになるために僧帽筋が常に緊張と拘縮した状態となり慢性的な肩こり症を起こすことになる。

女性に多いのだが子供の頃から肩こりに悩まされ続けているという方は、成長期の段階で何らかの誘因で胸郭出口斜角筋を常に狭く拘縮させてしまってきたのではと推測する。

 

 

2020年01月31日(金)

胸郭上部の鎖骨と第一肋骨、そして前斜角筋と中斜角筋に囲まれた隙間を胸郭出口と言う。

私はこの箇所を胸郭出口斜角筋と呼び、この胸郭出口斜角筋を調整し緊張を緩和させることは身体の諸症状を改善へと導くために重要な箇所と考えている。

胸郭出口斜角筋の機能を考察すると、

・下肢から軸と重心作用の変化によって崩れた半身を安定させる
・下肢運動に伴い転位した骨盤を安定させる
・頸椎、肩関節、胸郭の平衡バランスの安定させる
・ゆがみが出来た姿勢(猫背)をフォローし体をおこす

などの役割を果たしていると考えられ、呼吸運動、体温調節、新陳代謝を司っている。また腎臓の反射筋でもある。

胸郭出口斜角筋が適度な緊張と緩和を行われることで身体の均衡を保ち、四肢、体幹を柔軟に運動をさせることができるが加齢、過労、激しい運動、精神の緊張などの要因によって拘縮され胸郭出口が狭くなり斜角筋の拘縮が長期に維持された状態が続くことで次第に慢性的症状を起こしていくと思われる。

 

 

2020年01月24日(土)

背中の右側がこる、箇所をあげれば肩甲骨下角内側部にコリ、硬結がみられる。

それは、肝臓が疲労している表れ。

やっぱりお酒をたくさん呑んだ場合などは顕著に表れやすく、よく凝っている。

肝臓を労わるためにも普段から水分を(呑んだ後は特に)よく摂り、そして良質のアミノ酸を摂取するように心がけましょう。

 

 

2020年01月14日(火)

室内では暖気は上にたまり、冷気は下にたまる。

エアコンの効いた温かい室内で作業をしていても冷気は足元を襲い、気づかぬうちに『冷え』が体内に滞るようになり、慢性的な『冷え』の状態させてしまいます。

上半身は温かい状態であっても足元が冷えてきていることで『冷え』が体内を侵食し身体を過緊張状態にさせていきます。

特に胸郭が過緊張状態に陥るようになり、首、肩、背中などを固く凝らせ、どこか体が重く感じるようになる。また横隔膜までも過緊張させてしまうと胃の血流と働きを悪くさせてしまう恐れがあり腹部の豊満感や食欲を減退させてしまいます、また暴飲暴食の機会が多くなる今の時期は血流が悪くなっている胃に対して消化を助けるべく身体の血流を胃に集中させるために『冷え』を増幅させてしまうにでご注意ください。

『冷え』は足元から襲い、気づかぬうちに体を蝕んでいきます。

普段から工夫して『冷え』から体を守るようにしてください。