頭 痛

 

頭痛といっても原因は多種多様で、分類することは容易ではありません。ここでは脳腫瘍や脳出血などの脳自体におきる疾患が原因の頭痛を対象とせずに、首筋や頭筋の緊張によっておこる頭痛を対象とします。

 

 

〈頭痛となる原因〉

 

頭蓋骨の外側はうすい頭皮、頭筋、筋膜、血管、骨膜によって構成されており、筋肉の収縮や伸展は少ないところです。しかし頭筋の一部である顔面筋(表情筋)や咀嚼筋は頭蓋骨に付着しています。また頭部を動かす頸部の筋肉である胸鎖乳突筋、肩を動かす僧帽筋、脊柱を後方にまげる脊柱起立筋の一部である最長筋などや後頭下筋はすべて頭蓋骨に起始または付着しています。これらの筋肉が疲労によって異常な収縮状態がおきると頭痛の原因になることが多いのです。

 

 

〈痛みの種類〉

 

1 偏頭痛のような片側にだけおきるもの

顎を動かす筋肉や咀嚼筋と頭を動かす僧帽筋と胸鎖乳突筋の緊張があると考えられます。

頭部の筋肉を緊張させてしまう原因として足首に異常があるかもしれません。例えば、過去に足首を捻挫し、腫れはなくなったが完全に回復しきらずに放置したために、足関   節をつなぐ結合靭帯が悪い状態で拘縮していき、足関節に歪みができ、バランスの悪い状態になります。その歪んだ足で直立歩行などを行うとバランスを安定させるために首 、顎の筋肉を緊張させることで自然に体を安定させようと働きます。その緊張した筋肉が慢性的に疲労し続けるようになります。そして足関節からふくらはぎの筋肉が硬くなり、血行不良で足元が冷えているので様々に引き起こされる疾患のひとつとして偏頭痛であらわれることがあるのです。

 

2 後頭部のあたりが重く感じる

僧帽筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋の緊張があると考えられます。また目の疲れ、睡眠不足、またはかぜをひいていることを実感させるため頭痛という形で体にあらわすこともあります。

 

3 頭全体が重く、頭がスッキリしない

頭部全体の筋肉の疲労と頭蓋骨の歪みがあると考えられます。

 

4 精神的緊張や更年期障害などのホルモンの異常

自律神経の緊張により脈を打つように頭が痛む場合があります。

 

 

 

〈対処法〉

筋肉の緊張による血行障害をやわらげることを重視し、ここではひとりで出来る対策法を書きます。

 

・温冷法

熱い蒸しタオルか少し熱湯に近い温度のお湯に浸し固く絞ったタオルを用意します。タオルを首から肩を素肌の上から覆います。タオルが冷たくなればタオルを取り替えます。その行いを3〜5回繰り返せば、ゆっくりとした温冷作用で緊張した筋肉も和らぎ、血流が良くなります。「熱いけれど、気持ちがよい」と感じるぐらいの温度が良いでしょう。

 

・足 湯

足湯は体の末端から心臓に向かって戻る静脈を温め、全身を中心に暖めることが出来ます。熱い温度(43度ぐらい)のお湯に4〜6分間、足湯をします。お湯に足をつけている時にふくらはぎをマッサージし、発汗を促すようにして下さい。

 

 

〈施術を受ける目安〉

痛みが持続している場合ですが、まずは医師の診断を優先してください。