ネットオークション上の愛車を発見、出品者を逮捕



盗難バイクはそのうちの多数がパーツに分解されて、ネットオークションで転売されていることが分かっています。見方を変えると、ネットオークションが格好の転売市場を提供していることが、転売目的でバイクを盗む犯罪を誘発している、とも言えます。

残念ながら、「疑わしくても捜査できず」の法の不整備のために、これまで窃盗犯を摘発できたのは、被害者自らが落札して証拠を押さえた、というケースがほとんどです。今回No.3'398のAPE100さんも、そのような個人の努力で愛車を取り戻すことができました。その貴重なレポートいただきましたので、ここに紹介いたします。ネットオークションによる盗品転売の実態に正義のメスの入るのは、まだまだこれからです。


No.3'398  発見のご報告です! ('05.8.18)

盗難バイクリストNo.3'398に登録していただいた、
エイプ100オーナーの[K]と申します。先日、盗まれていた
私のバイクが戻ってまいりましたので、この度ご連絡させて
いただきました。

犯人は逮捕され、犯人側の弁護士との話し合いを進めた結果、
当方に対しての賠償など、ほぼこちらの提示した条件で話が
まとまりました。


それでは発見の経緯を詳しくお話させていただきます。

私がヤフーオークションに商品を出品していたところ、
ホームページに掲載していた写真を見て、私のバイクに
よく似たバイクがヤフーオークションに出品されていると、
親切な方が知らせてくれました。

出品されている商品の写真を確認すると、部品が幾つか
抜き取られるなどの相違点もありましたが、フレームカラーと
特徴的なアフターパーツで私のバイクではないかと疑いが
強まり、被害届を出した警察に連絡して本格的な捜査を
お願いしました。

管轄の刑事さんは、事情を説明すると熱心に捜査してください
ました。しかし警察がヤフーに出品者の情報開示を求めまし
たが、近年話題になっている個人情報保護のためか、ヤフーが
情報の開示を渋っていました。自分でもできることはないかと
思い、ヤフーと連絡をとろうと思いました。しかし、ご存知の
方もいらっしゃるとは思いますが、ヤフーは電話窓口が存在
しません。今回のように急を要する場合でも、メールのみの
対応しかしてくれません。しかも、これほど重大な事件にも
かかわらずレスポンスが非常に悪く、最後は返信すらして
きませんでした。今回の一件でヤフーに対して、強い不信感を
抱くようになりました。

ヤフー側が情報の開示を拒んだため警察も動くことができず、
オークションの落札期日も迫っていたので、とりあえず自分で
商品を落札しました。

落札後に出品者とメールで連絡を取り、出品者の住所と氏名を
聞き出すことができたので、警察に捜索を依頼しましたが、
決定的な証拠がなければ、裁判所から家宅捜索の礼状をもらう
のは難しいと言われました。この時点でバイクが確実に私の
モノであるという確固たる証拠が無かったため、後々問題に
なると厄介になるからなのか、警察は動きたくなかったのでは
ないかと思います。

出品者に現物を確認させてもらう約束を取り付けたので、私が
出品者の家に直接行ってバイクの車体番号を確認しました。
バイクに積んである自賠責保険の証明書に名前が記載されて
いるので、偽名を使いました。仮に出品者が犯人であった
場合、私のカオを知られていないかという不安要素はあり
ましたが、イチかバチか行ってみることにしました。

出品されていたバイクを目の前にして思いました、…どう見て
も私のバイクだよぉ〜。私はバイクの程度を見るフリをして、
いちおう車体番号を確認しました。ビンゴ! 間違いなく私の
バイクでした。この時点で犯人と思われる出品者は、持ち主
である私が目の前に居るとも知らず、さも自分のもののように
バイクの説明をしてきました。ちょっと笑えました♪

バイクを後日引き取りに行くという話をして、その場は引き
上げることにしました。帰りのクルマに乗り込んですぐに、
バイクが私のものに間違いないことを警察に電話で伝えました。

数日後、出品者の家は家宅捜索され逮捕されました。しかし
予想外の事態に…、逮捕された出品者が、バイクはフリー
マーケットで買ったと犯行を否認したのです。

仮に逮捕された出品者が「善意の第三者(※)」であった場合、
罪にとわれることがありません。そうなると、本当の犯人を見
つけ出さなければ損害賠償を求めることもできず、捜査にさらなる
時間もかかってしまいます。ですが担当の刑事さんは間違い
なく逮捕した出品者が犯人だと確信しており、信用して待って
てくれと私に言ってくれました。
(※今回のケースであれば、私のバイク盗んだ本当の犯人から、
今回逮捕された出品者が盗品と知らずに買った場合です)

結局、逮捕された出品者が犯行を認めてカタがつきました。
犯行の理由は、付いているパーツが欲しかったからだそうです。
警察に押収された犯人のバイクには、私のバイクから外した
部品が数多く移植されていました…。

やはりエイプやモンキーは、パーツ目的に素人が犯行に至る
ケースが多いように思われます。ですから海外に持ち出される
可能性も低いので、絶対に諦めず探すことをオススメします!

盗難バイクインターネット捜査網に登録していただき、
捜索にご協力くださいました皆様、本当にありがとうござい
ました。


                       (3'398 文京区 APE100 さん)



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