私のCBXストーリー (4) 「Xの次に来るもの」(00.1.15)


日本でCBXというとCBX400Fのことを指す。
125から750までのラインナップがあるのだ
が、免許制度もあり主力はこの中型だった。
だが海外でCBXとはCBX1000のことだ。見
ただけで圧倒されるその並列6気筒エンジン
は、まさに次に来るものなしの究極のXにふ
さわしかった。

一方日本のCBXは、4気筒ツインカムエンジ
ン、モノサス、前後インボードディスクブレ
ーキ、と先進的な新機能を満載して登場した
ものの、コンパクトな車体と明るいカラーリ
ング、それと曲線的デザインからくる柔らか
さも手伝って、それは「きれいな」バイクで
あった。クロスしたエキゾーストパイプは
造形美の極みとも言えた。私の記憶に残るの
は、エンジンが回転を高めるにつれて、エキ
ゾーストノートが、重低音から「クオーン」
というミュージックに変わるときの心地よさ
だ。

CBXはその後、CBR400F、CBR400R、CB-1、
CB400と、後継機種が続いたが、Xを冠する
モデルは出ていない。その意味ではCBXはひ
とつの究極ではあったのだろう。Xの次に来
るものは、はたして生まれてくるのか。それ
とも、Xはすでに一人ひとりのライダーのも
のになっているのか。私のXは、記憶の中で、
ある旋律と重なってよみがえる。


  タイヤ鳴らして
  走りすぎるバイクの音
  なつかしい
  時の流れは
  照れ臭いよね
  胸がせつなく鳴った

     ( I'm here  小比類巻かほる)





[楽しいバイクライフのために] へ戻る