ウイークエンド オンセンライド (05.8.21)


ツーリングがバイクに乗るメインの用途であっても、何泊もする遠出はそうしょっちゅう できるものではありません。おおかたは、日帰り、または一泊のツーリングといった ところではないでしょうか。それも、毎週のようにはいきません。 いったいウイークエンドライダーは月に何回 愛車のエンジンをかけるものでしょうか。きっと中には、バッテリー上がりを 防ぐために、長く乗らないときはバッテリーを外しているライダーもいることでしょう。

かく言う私も、バッテリーを上げないことも目的のひとつに、2,3週に 一度は日帰りツーリングに出かけます。ツーリングと言えばまだ格好は つきますが、実はワンデーツーリングというより、ハーフデーツーリングです。 午後の2時や3時になってから出かけます。5時というときさえあります。目的地は 温泉。

中央高速で行ける身近な温泉が山梨県にたくさんあります。その中でも、夜9時、 10時と、遅くまで営業しているところ、露天風呂があり、眺望のいい温泉が目当て です。夕暮れ前に着いて、刻一刻と変化する暮れなずむ景色を眺めながら、 長くぬるめの湯に浸かります。遅めのほうが、湯の混雑も和らいで いるかな、との期待もあります。

湯から上がって、軽い食事をとり、家路に向かうころは、高速も渋滞が消える 遅い時間帯。たいてい土曜を使うので、帰宅が夜遅くなっても、明日があります。

そんな温泉のひとつが、先日紹介した山中湖の「紅富士の湯」。もうひとつのお勧めは、勝沼 ICから12キロほど走り、笛吹川フルーツ公園を突っ切って、さらに登った丘の頂上にある 「ほったらかし温泉」。目の前に富士山と甲府盆地が広がり、まるで空中温泉。 夜は眼下に甲府盆地の夜景が、頭上には星空をさえぎるものがありません。

ツーリングというと、普段は行くことができない遠くの地を訪れることがひとつの 目的ではあるでしょう。旅ということばの語感からしても、日常性からの脱却という 要素を多分に含んでいそうです。

けれども、ちょっとバイクを走らせたいというときは、温泉に限らずとも、気楽に出かけられる目的地 をいくつか常備しておくことがおすすめです。休みの土曜に目が覚めてから、天気が良さそうだな、 と思い立って支度を始めることができます。とくに、仕事で疲れた体にとって、 前夜から準備して、土曜の早朝出発はちょっとつらい。午後になってからでもゆっくり出かけられる オンセンライドは、ツーリングというより、エンジンが2週間以上も回っていない バイクのためには、ちょうどいいジョギングのようなもの。そのせいか、いまのところ、私のバイクは なんとかバッテリーが上がることもなく、一発始動してくれます。

もちろんいつかは、全国の温泉を転々としながら各地を旅するのが、ささやかな夢ではあります。考えると、温泉でくつろぐという日本の文化はもっと知られて良さそうな気がします。今や「生のサカナ」なんて英語で意訳しないでも、サシミ、スシが通用する時代。ホットスプリングではなくてOnsenも世界語になろうとしています。



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