犯罪統計 (98.11.14 資料追加: 01.4.10)


警視庁のホームページに犯罪統計が掲載されており、そのなかの「重要窃盗犯」に、自動車盗にかんして認知件数26,534、検挙件数13,179(今年1月から9月まで)とある。

てっきり、自動二輪までを「自動車」と分類しているものと思ったのだが、先ごろ出版された平成10年版「犯罪白書」(大蔵省印刷局)を見ると、窃盗のうち「乗物盗」にかんして以下のように平成9年の認知件数が集計されている。

乗物盗平成9年平成8年平成7年平成6年
自転車盗427,232413,838387,269394,850
オートバイ盗234,649240,400241,509234,162
自動車盗34,48933,72235,73034,725
合計696,370687,960664,508663,737


名称についての定義が見当たらないが、常識的に考えて、多分オートバイとは原付きから自動二輪を含むものだろう。そうだとすると、その数字の大きさにまず驚くが、それよりももっと目を引くのが、この数字、じつは過去10年に渡ってほとんど変動がない。

それでは、なぜ、自動車だけ「重要窃盗」なのか。上記警視庁の統計ではその検挙率が約50%だ。四輪は少なくとも2台に1台は見つかると考えても良さそうだ。

バイクはどうか。バイク盗難の検挙率の数字は掲載がない。重要窃盗犯の検挙率が68.4%というのに、窃盗犯全体では35.2%。窃盗犯というのは、自動車盗、空き巣、すり、ひったくりの「重要窃盗犯」の他に、万引き、車上ねらいなどと一緒に自転車、バイクを含めたものだ。その総件数は1,665,543。つまり、バイクを盗まれても、ひったくりにも及ばない。万引きとあまり変わらない扱いというわけだ。きっと、盗難届を出した時も、警察にとってはただのペーパーワークでしかないな、と感じた被害者も多いだろう。

なぜ、四輪が「重要」で、オートバイが「非」重要なのだろうか。車検のあるクラスであれば四輪と変わらないはずだ。さらに車種によっては四輪よりずっと高価なバイクがあるのは言うまでもない。

それにしても、毎年決められたように、20万台ものバイクが盗まれるとはどういうことだろう。たとえ原付きであれ、高価なビッグバイクであれ、持ち主にとっては貴重な、かけがえのない物だ。それが、まるで予定されていたかのように毎年決まった台数、盗難にあうのだ。その意味では、盗難から自分のバイクを守ることは、今や個人の責任と力の範囲でできることではないのかも知れない。あなたのバイクがどうチェーンで巻かれていようとも、それがある日突然消えるのは、あくまで統計確率の世界なのだ。今のままでは。



資料追加(01.4.10)


日本自動車工業会の『JAMAレポート No.86 盗難車対策について』に以下の情報があります。

●平成11年二輪車盗難件数 242,977件 
●うち原付きが 77% 
●検挙者の 66% は少年 (検挙数と盗難件数に対する検挙率は記載なし。さらに、組織的窃盗グループの検挙率は低いとも読める) 




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