寂しそうで
たまらなかった

一生懸命虚勢を
はってて
ほっとけなくて


…自分と似てて………――



「慶介、この人があなたの新しいお父さんになる人よ」

「よろしく、慶介君」



『父さん』…

この人は『父さん』だけど『他人』で、
そして




「よろしく」


俺の『敵』…



You are my
reason
to be

 

 
その日を境に
俺の家族は3人から4人に変わった。


 
4つ下の妹は、わりと早く『父さん』になついた。

小さかったし、女の子だから

母さんに満ち足りた表情をさせるこの人に

「悔しい」なんて感情を抱く事はないんだろう…。


幸せになって欲しくない訳はない…

 

ただ

3人で暮らしていた頃には見た事もないような
幸せそうな母さんを見るのは 


嬉しいよりも


悔しくて

悲しくて





…寂しかった


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