・后(きさき)兄弟・
ゴキブリ、そして… 15
●和也
「オカマのフリして
セクハラ〜♪」
●ダラス
(…ちょっと、なによ?
その歌詞……)
●尚也
(ちょっと放っておいたら、
随分仲良くなってないか…?
……まずいな)
●尚也
「兄さん、そのオカマとの
付き合いは程々にしておいて
くれ」
●和也
「何を言うんだ、尚也。
このピンクのオカマは
面白い人だぞ?」
●尚也
「面白けりゃなんでも
良いんですか、貴方は!?
俺はこんなオカマは認めない!」
●和也
「なぜだ?このオカマの何が気に入らない?」
●ダラス
(……オカマ、オカマ言うな)
●尚也
「顔だ!!オカマなのは
ともかく、そんな顔の男は
兄さんにふさわしくない!」
●和也
「なんだと!?
顔なんて今の時代、いくらでも
変えられるさ!」
●尚也
「俺は整形や化粧で
ごまかすのは大嫌いだ!
自然であってこそ美だ!」
●和也
「お前の好みは関係ない
だろう!?大体、お前が
汐瑠君を俺に譲ってくれれば
こんな事にはならないんだっ!
お前ならいくらでも次が
探せるじゃないか!?」
●ダラス
「キー――ッ!
なんなのよっこの兄弟!!」
●ダラス
(失礼しちゃう!プンプンッ
もう帰るわ!)
●和也
「もう頭にきたっ。
汐瑠君を譲ってくれないなら、
兄ちゃん、あのオカマと
結婚しちゃうもんねっ」
●尚也
「なっ……!!」
●尚也
「ちょっと待ってくれ兄さん、
いくら異世界とはいえ、
そんな風に自棄になって失敗
するなんて馬鹿げてる。
…そうだ、なにやら
ダウンタウンという場所が
あって、そこで新たな出会いも
出来るらしいな…。
どうだろう?ここはひとつ、
そこに行ってみるというのは」
●和也
「え?ダウンタウン?」
和也が興味を示したぞっ、
一気に丸め込め!