・后(きさき)兄弟・
ゴキブリ、そして… 16

和也
「しかし、それって要は
ナンパだろう?俺は今まで
ナンパなんてした事が無い。
俺にそんな事が出来るのか…」

尚也
「兄さんが声をかければ、
大抵の男は乗って来るさ」
和也
「そうなのか……?…だが、
俺は尚也みたいに口も上手く
ないし、手も早くないし…。
本当に大丈夫だろうか?」
尚也
(………)
「何を言っているんだ、兄さん。
俺たち兄弟は見てくれが良い。
なんだかんだ言ってもこれは
大きな武器だぞ?
もっと自信をもってくれっ」
和也
「そうか……」
尚也
(よし、上手くいきそうだ
…ニヤリ

尚也
「そもそも動物は、
自分により近い見た目の者と
結ばれるのが自然なんだ。
ゾウがネズミに恋をしても
困るだろう?だから兄さんも
並以上の男と結ばれるべきだ!」

あ、肩に糸くずが。

それっぽい事を言いながら、他の事に意識をそらさせるテクニック。

和也
「な…なるほど……」
(というか、男限定なんだな…)

尚也
「ところで汐瑠君、
さっきの続きだが…。
どうだろう?この際、
私達も ―――」

和也
「こらこら尚也、
汐瑠君が困っているだろう?
はっはっはっ」

珍しく、まともな和也。
ダウンタウンへの夢が膨らみ、
心に余裕ができたようです。

それにしても尚也はこんな話ばかりしている…。
黙っている時も、唇マークやおしゃぶりマークを思い浮かべたり。
というか、度重なるセクハラに、さすがの汐瑠も険しい表情に…っヾ

和也
「あ〜…、なんか眠い……。
…ぐぅ」
尚也
「あ、寝た」

ご飯食べながら寝る、
子供のような和也。

SIM TOP