・后(きさき)兄弟・
異星の王子様 21
●ミッシェル
「んっ。おいし〜〜」
●ジェラルド
「うん。
このパイ部分の甘みと、ベリー
ソースの酸味のバランス…。
素晴らしいですね」
●シュリオン
「でしょ〜?
汐瑠さんの料理は、いつも
すごく美味しいんだ」
●ジェラルド
「へぇー、羨ましいですね」
●アーロン
「いいな〜。
そういえばマキシムはよく、
お母さんの料理が下手だって
嘆いてるよね」
●マキシム
「そうなんだ…。
この前は、夕食のおかずが
“ふりかけ”だった……」
●シュリオン
「え!?ふりかけ?」
(…って何?)
●アーロン
「うわ〜、
それはもう、料理下手とかいう
以前の問題だね。
育児放棄だね」
●マキシム
「えっ…!!」
●ミッシェル
「そんな事ないよ。
マキシムの家はビンボーだから、
きっと“ふりかけ”くらいしか
買えなかったんだよ。
気にしないで?マキシム」
●マキシム
「……あ、ああ…」
(あれ…?)
●シュリオン
(ミッシェルって優しいなぁ…)
…そうか?;
●マキシム
「ところで、
昨日テレビで『ウフフな事』が
どうとか言ってたんだけど、
何の事だろう?
両親に訊いても『お前には
まだ早い』と言って
教えてくれなかったんだ…」
●ミッシェル
「『ウフフ』?笑い声かな?」
●アーロン
「そう考えると、
楽しい事っぽいね」
●シュリオン
「何か淫蕩な響きだけどね」
シュリオン…。
そこまでわかってりゃ
充分だよ……;