・后(きさき)兄弟・
異星の王子様 33
●和也
「そう言う事かっ!よ〜し、
これからもバリバリ仕事して、
身体も鍛えて、スキンケアも
怠らないゾッ!!」
●マリオン
「え〜、ホントに?嬉し〜いv」
(でも、「そう言う事」って
どう言う事?)…通じてない。
●汐瑠
(あ…、イチャつき始めた。
テレビ、テレビ…)
いつもの事なので慣れたもん。
●マリオン
「あ、そろそろシュリオンを
寝かせる時間だよ。
呼びに行って来るね」
●和也
「え〜〜〜〜〜…」
●汐瑠
(「え〜〜」って……)
その頃のシュリオンは…
●シュリオン
「『キリエ』の歌詞にさ、
“christos”って出てくるよね?
辞書で引いたら、“油を注がれ
た者”ってなってたんだけど、
どういう事?
油ぎったオッサン?」
●尚也
「いや、オッサンは関係ない。
ヨハネ福音書の中で、メシアを
“油を注がれた者”と意味している事から、
ヘブライ語の“メシア”の
訳だと言えるな。
他にも、イザヤ書では『主は私に
油を注ぎ、主なる神の霊が私を
捉えた――』などとある事から
“神から油を注がれ祝福を
受けた者”という事になる」
●シュリオン
「へ〜〜ぇ…。なんとも、
ありがた迷惑な祝福だね」
ギトギト〜
尚也ってば、
子供の話し相手もできるなんて、
なんて器用な…!と思ったら、
シュリオンが大人の話にも
ついてこれる子だ、という
だけの事らしい…。納得。
●シュリオン
「ところでさぁ、
なんか、学校のクラブ活動で
『宇宙人研究会』っていうのが
あるんだって」
●尚也
「!!」
●シュリオン
「僕、そこに誘われてて…。
面白そうな気はするんだけど、
ちょっと胡散臭そうだし、
どうしようかな〜」
●尚也
「そ…そういうのは……、
興味本位で手を出さない方が
良いと思うぞ…?…その、
呪われたりだとか…。
とにかく危険だっ」
●シュリオン
(…それって、
コックリさんとかの話じゃ……)