・后(きさき)兄弟・
お年頃ですから 3
●シュリオン
「ベッドも狭くなったなぁ…。
この際、服だけじゃなく
色々買い換えてもらおう。
部屋の内装も換えたいな」
市長の息子ですから、
お金の心配はいりません。
…うらやましいかぎりです。
パジャマはまともでしたが、
これだと尚也とかぶるので、
パジャマも新しく買ってきま
しょう。
―翌朝―
●和也
「さあ行くぞっ。
運転は私にまかせてくれ」
●シュリオン
(…え゛、
パパが運転するの……?)
尚也さんにしてもらえば
良いのに…。
信用の無い和也。
マリオンと汐瑠は、
お留守番です。
●尚也
「…兄さん、
“かもしれない運転”だ」
●和也
「そ、そうだな。歩道から子供が
飛び出して来るかもしれない。
車の下からご老人がはい出して
くるかもしれない。私はそれを
轢くかもしれない……」
●尚也
「…兄さん、轢いちゃダメだ」
●シュリオン
(大丈夫かなホント………)
・
・
・
●尚也
「さぁシュリオン、どんな服が
良いんだ?好きなだけ試着して
決めるといい」
●シュリオン
「わー、いっぱいあるなぁー」
●和也
(とりあえず女装じゃなければ
何でも良いから、どれでも
好きなだけ買ってくれ……)
さすがの和也パパも、息子の
女装はお気に召さないご様子…。
●シュリオン
「どれが良いかな〜。
赤や紫も良いけど、シンプルに
白や黒っていうのも
容姿が引き立つよねー…。
何でも似合っちゃうから、
かえって迷うなぁ…」
自分の美しさを
一切謙遜しない男、シュリオン。