・后(きさき)兄弟・
お年頃ですから 3

シュリオン
「ベッドも狭くなったなぁ…。
この際、服だけじゃなく
色々買い換えてもらおう。
部屋の内装も換えたいな」

市長の息子ですから、
お金の心配はいりません。
…うらやましいかぎりです。
パジャマはまともでしたが、
これだと尚也とかぶるので、
パジャマも新しく買ってきま
しょう。

―翌朝―

和也
「さあ行くぞっ。
運転は私にまかせてくれ」
シュリオン
(…え゛、
パパが運転するの……?)
尚也さんにしてもらえば
良いのに…。


信用の無い和也。
マリオンと汐瑠は、
お留守番です。

尚也
「…兄さん、
“かもしれない運転”だ」

和也
「そ、そうだな。歩道から子供が
飛び出して来るかもしれない。
車の下からご老人がはい出して
くるかもしれない。私はそれを
轢くかもしれない……」
尚也
「…兄さん、轢いちゃダメだ」
シュリオン
(大丈夫かなホント………)






尚也
「さぁシュリオン、どんな服が
良いんだ?好きなだけ試着して
決めるといい」
シュリオン
「わー、いっぱいあるなぁー」
和也
(とりあえず女装じゃなければ
何でも良いから、どれでも
好きなだけ買ってくれ……)

さすがの和也パパも、息子の
女装はお気に召さないご様子…。

シュリオン
「どれが良いかな〜。
赤や紫も良いけど、シンプルに
白や黒っていうのも
容姿が引き立つよねー…。
何でも似合っちゃうから、
かえって迷うなぁ…」


自分の美しさを
一切謙遜しない男、シュリオン。

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