ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その１０８

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

七

ⅴ

　しかし、そんなこちらの考えを

今まで食べることに夢中になっていた息子が呆気なく打ち砕く。

「あっ、そういえば母さんさっきお姉さんとはどうなったの？」

「さっき？」

　翔の言葉に直実は首を傾げ、乗ってきた。

義姉たちを面倒事に巻き込みたくはなかったが、

これでは隠し通すことも無理だろう。

（もう翔ったらおしゃべりなんだから！）

　律子は息子を軽く睨みつけるように見た。

だが、言い出しっぺである彼は告げただけで満足したらしい。

こちらの視線に気づくことなく炒飯にほおばっていた。

（しかたないわね）

　律子はため息をつき、

家に押しかけてきた麻里と共に向かった峰音寺での出来事を

掻い摘んで直実に聞かせた。

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