ＧＰ２～麻里＆律子の場合～その７０

Gold Plum

第二章

交錯

～麻里＆律子の場合～

五

ⅲ

「え？　あ、あの、もしかしてご迷惑でしたか？　ごめんなさい」

　頭をさげて詫びるとしばし沈黙がおりる。

（やっぱりヤバかったのかしら？）

　黄梅のしきたりはわからない。特に満は獣人だ。

自分にはわからない機微というものがあるのかもしれない。

（どうしよう……）

　内心で焦っているとやがて小さな吐息が聞こえてきた。

「……いや、教えてやってもいいが条件がある」

　満の答えに麻里はほっとして肩の力を抜く。

「わ、わかりました。はい。大丈夫です」

　協力してくれるならなんでも言うことを聞こう。

麻里は満に対し何度も首を上下させた。

「ちょっと麻里さん、

どんな条件かも聞かずに承諾しちゃっていいの？」

　ふいに裾を引っ張られ、バランスを崩す。

コソコソと耳打ちしてきた律子に、麻里は肯定した。

「は、え、はい。ええっと、どんな条件なんでしょう？」

　律子をよそに直立不動で尋ねると満が腰へ手をやった。

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