Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




E




「へ?」

「行き先を行っていただかないと」

 首をかしげるみのりへ碧が冷静に突っ込みを入れる。

「行き先って……あ、梅畑涼介!

あんたが次に行こうとしていたところを教えなさい」

 眉を寄せていたみのりが、いきなりこちらへ身体を向けてきた。

(なんてむちゃくちゃな女の子なんだ)

 さっきは自分の言葉を無視しておいて、今度は命令してくるとは。

 涼介は片眉をあげてみのりを見返す。

「『こいつ』の次は『あんた』かい?

こちらの意見を無視しておいてその言い方はどうかと思うよ。みのりお嬢様」

 最大限の嫌味を込めて答えると、みのりがすまし顔で鼻をそらせた。

「別に無視したわけじゃないわ。

あんたのレベルに私が合わせてあげてるのよ」

「意味がわからないな。それってどんなレベル?」

「人を傷つけておいて平気な顔をしてる人として駄目なレベルよ」

 なんだってこの少女はこうも高慢な態度を取ってくるのだろう。

一言「お願い」とかわいくおねだりでもしてくれば、

自分だって素直に答える準備もあるというのに。

「その言葉、そっくり君に返すよ」

 腕を組んで片頬をあげると、みのりがいきり立った。










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