ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅰ

　学校帰り、いつものように翔の隣を並んで歩く。

しかし、いつもとは違う荷物の量に太一は四苦八苦していた。

（何があるかわからないからって、

葉っぱ持ってきちゃったけど家に置いておけばよかったなー）

　創立記念日で学校が休みだった昨日。

祖母から託された黄金梅の種を実らせるために出かけた。

その先で出会った梅畑涼介（うめばたりょうすけ）や

野臥間（のぶすま）邦夫・里夫たちのおかげで、

無事に黄金梅へとつながる『葉っぱ』を生やすことができた。

黒いリュックがパンパンになるほど入っている葉っぱを家に

置いてくるのが、なんとなく忍びなく思ってしまったのが

いけなかったのかもしれない。

いくら中身は葉っぱだから軽いとはいえ、かさばるのだ。

　黒のランドセルを背負っているから、

リュックを背負うこともできず。前に抱え込んでみるものの、

膨れ上がったリュックに前方の視界が遮られ

歩きにくいことこの上ない。

かといって脇に抱えてみても収まりが悪いのだ。

歩きながら何度もリュックを持つ場所を変えてみてはいるのだが、

中々場所が定まらないことにいい加減嫌気がさしてきた。

（カケルは楽そうでいいなー）

　こちらの苦労など気づくこともなく

翔は白線の上を飄々と歩いている。

そんな翔を恨めしく見つめていると、ふいに話しかけてきた。

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