ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１１８

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

四

ⅹⅹⅹⅰ

「わ、わかりました。ええと、でも数字はちょっと……」

　言い訳がましく言葉を詰まらせると、太一が腕を掴んでくる。

「なに何、どうしたの？　暗証番号がわかったんじゃないの？」

　ぴょんぴょんと飛び跳ねる太一に根負けして、麻里は答えた。

「『ムササビ』だから『６３３』まではなんとなく」

「キーキ」

　自信がないまま告げると、リオが邦夫へジト目を向ける。

「おー！　さすがは先生だべ！」

　大げさな調子で驚く邦夫の様子に麻里は首をかしげた。

（え？　やっぱりまずいこと言ったとか？）

　意味がわからず邦夫を見つめていると、

代わりに太一が提案してきた。

「最後がわかんないんだったら、

最後の数字だけ１つずつ入れていけばいいんじゃない？」

　太一の言葉に麻里は肩をすくめる。

「そうは言っても何通りもあるから時間がかかるわよ」

「何通りもあるの？」

「鍵によるけど少なくとも９通りかしら。

そういえば、『ビ』って言えば『１』の場合もあるって昔どこかできいたような」

　研修時に上司から聞きかじった話を総動員して告げると、太一が目を輝かせた。

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