ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１１９

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

四

ⅹⅹⅹⅱ

「おー！　お姉さん、やっぱり先生なんだね。

『ビ』が『１』なんてぼく、聞いたことなかったもん」

「それは私の上司……じゃなくてこ、校長先生が……」

　冷や汗を流しながら応対していると、邦夫がかぶりを振ってくる。

「いや、暗証番号は４ケタだったはずだべ」

「キ。キッキッキキキキーキキ」

　４ケタだったのか。

ならなぜ最初から言ってくれなかったのだろう。

どこか非難がましいリオの鳴き声を聞きながら

内心で疑問符を浮かべていると、邦夫が話を展開してきた。

「それじゃ、まずは実物の鍵を見るためにも宝物庫へ向かうべ」

　邦夫の言葉に麻里は眉根を寄せる。

「おじいさん、何か知っていらっしゃるんじゃないですか？」

　わざと自分を試したのでは。ふと浮かんだ疑念を口にすると、

邦夫が小さく微笑んだ。

「暗証番号が何番は知らないんだべ。

わしら一族は、雪姫様の紙玉を受け取れるように補助するのが役目なんだべ」

　邦夫の話に麻里は目を見開く。

「そうだったんですか。

リオ君が何かおじいさんに言ってるような気がしたものですから」

　詫びを込めて言葉を紡ぐと、邦夫が笑みを深めた。

一つ前を読む　　　 GPの部屋に戻る　　　次を読む