ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１２

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅹⅱ

　背後に回っていた翔が、

スタスタと背中を向けている女性の元へ歩き出す。

「お姉さんそこで何してるの？」

　女性は翔の声にビクッと肩を揺らし、振り返った。

「あら、君。翔君？」

　女性は大きな瞳をさらに大きく見開く。

しかし翔のことを認識すると、すぐに満面の笑みへ変わった。

「あ！　昨日のお姉さん！！」

「え、カケルの知り合いなの？」

　知らない人なのかと思っていたのだがどうやら違っていたらしい。

太一は翔の隣へ立ち、自分たちよりも十歳以上は年上であろう女性の顔と

親友の顔を交互に見比べた。

（近所のお姉さんなのかな？）

　太一が首を傾げていると、翔が顔をしかる。

そして女性に聞かれないようにするためか、囁いてきた。

「知り合いじゃないけど、知ってる人」

「なんだそれー」

　翔の曖昧な説明が理解できず、太一は苦笑した。

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