ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１５３

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

六

ⅸ

「え？　あの人？

あの人に相談してみろって……あ！　涼介お兄ちゃんのこと？」

「……私じゃダメなの……？」

がっくりと肩を落としていると、リオが鳴きだした。

「キー？　キキーキキッキキ？」

「ん？　里夫どうしただべ？」

　リオの声に邦夫が首をかしげる。　

「キー、キキキ、キーッキッキキッキキキキキーキキ」

「なんてことだべ、もう一人黄金梅を咲かせようとしてる人間がいるんだべか？」

　驚き目を見開く邦夫を前に、麻里は心底驚いた。

「そうなんですか！　それは大変！　すぐに会わなくちゃ！」

　その人物ならば自分の行為が意味のあることだと証明してくれるかもしれない。

決意を胸に拳を握り締めているうちに、太一が翔と話を進めた。

「うん。わかったよ。お兄ちゃんにも相談してみるよ。

でも今一緒にいる人たちにも相談していいでしょう？」

　太一の問いを聞きながら、邦夫が声を震わせる。

「これも雪姫様のお導きだべ」

　瞳を潤ませる邦夫の様子には、ぐっと胸にくるものがあった。

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