ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その６

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅵ

「だいたいのことではあるが高松君から聞いている。

私にも何かできればいいんだが」

　表情を曇らせる梅畑市長に、高松が吐息した。

「やはり梅八家の意向は変わらず、か？」

「ああ。なんとか東郷都の一つに組み込まれることのメリットを

わかっていただこうと八家総会の議題にしてはいるのだが。

何しろ美都子様が動かない。

こちらは分家の人間だからあまり大きなことも言えんしな」

　苦々しい口調で告げる梅畑市長を前に、高松が腕を組む。

「そうか。まあ、あまり事を急いても意味はないしな。

だが、このまま古い考えを推し進めていけば、

市はますます孤立し文明から乗り遅れてしまう」

　険しい顔つきて答える高松に、雅秋が首を縦に振った。

「わかっている。だがまだ、希望も残っている」

自分にはなかなか進まぬこの状況を、市長は打破できるというのだろうか。

（やっぱり、黄金梅のことかしら……）

　内心でひとりごちでいると、隣にいる高松が声をあげた。

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