ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その８

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅷ

「これから君はどうするつもりだい？」

　高松の質問に梅畑市長の視線が逸れる。

「みのり様をサポートするつもりだ。

もちろん、美都子様への陳情も続けるつもりだが。君はどうするんだ？」

「都もだいたい同じだ。みのり様と君をサポートする。

東郷都に組み込まれた際には君に立ってもらわねばならないしな」

　つらっと表面的な計画を口にする高松を尻目に、麻里は拳を握る。

（高松室長はみのりさんを救いたいって言ってたはずだけど……）

　そう言ったからには、

梅畑市長が黄梅市のトップに立つ未来などありえないはずだ。

いったいどちらが本音なのだろう。

　麻里は高松の横顔をこっそり見つめるが、彼の考えを読むことはできなかった。

どちらにしても、今は問題にするべきではないだろう。

胸の内で一人納得していると、

柔和な笑みを浮かべ黙している高松へ雅秋が肩を竦めた。

「私は一役人でいるほうがいいのだがな」

「まあ、そういうことにしておこうか」

　くすりとする高松に対し梅畑市長が笑みで応じていると、

脇に控えていた秘書が腰を折ってきた。

「雅秋様、そろそろお時間です」

　静かな口調で告げられ雅秋が立ちあがる。

「うむ。では、申し訳ないが先に行く。連絡はいつものように」

「ああ。忙しいところすまなかったな」

　高松の言葉に首肯して踵を返す梅畑市長の後ろ姿を見つめながら、

麻里はこっそりと溜め息を吐いた。

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