ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その６３

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

四

ⅷ

「ええ。私の義姉夫婦もその一組だけど、今でもラブラブよ」

「ラブラブ……」

　野木崎の発言に、飛田が瞳をうっとりとさせる。

「けっ！　しゃらくせー！」

　絶対良からぬ妄想に浸っているだろう飛田を前に、

善郎は鼻を鳴らした。

（惚れた腫れたと言ってもそんなのは最初だけだ。

種族の違いを越えられるわけがねえ！）

　視線を逸らし渋面を作っていると、

狼谷が吐息するのが聞こえる。

「人間は敵だ。どんなに相手が気になろうが、

そんなやつとに一緒になったってうまくいくはずなんてねー」

　もっともな言葉に内心で深く首肯していると、

飛田が即座に反論する。

「芽衣子ちゃんと僕は違います！」

　善郎は、一体なんの根拠が、と叫ぼうとしたが、

その言葉は野木崎によって阻まれた。

「だいたい、満君。飛田君のこと言えるの？

あなただって麻里さんといい感じだったじゃない」

　何、と善郎は狼谷を見やった。

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