Gold Plum

第三章


救出


〜涼介＆みのりの場合〜


六

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「えー、ボクも見たい！　お兄ちゃん、見せて」

　太一が身を乗りだしてきて、涼介は振り返った。

「太一君！　そうだ！　これ知ってる？」

　スマホに映された画像を見せると先に野木崎が歓声をあげる。

「わぁー、懐かしい。昔作ったなー。山波さんも作ったんじゃないですか？」

　山波に尋ねる野木崎を尻目に太一が首をがしげた。

「どれどれー？　んー？　何これ？」

　眉根を寄せる太一と野木崎の言葉に倣い、山波がスマホを覗き込む。

「へ？　どれどれ？

あーかき氷器かあ、昔はよくこれで氷を削って食ったもんだったなあ」

　懐かしげに相好を崩す山波の言葉に涼介は目を剥く。

（え？　かき氷器って、これが？）

　手で削るのはわかるが、どこがどの部品か少しわかりにくい。

土台と取っ手はまだわかるが、歯はどう取りつければいいのだろうか。

一人黙考していると、横から叫び声が聞こえてくる。

「氷ー！　わらわの氷ー！」

　必死にスマホへ手を伸ばす雪姫とともに、みのりが目をしばたたく。

「え？　これで氷が削れるんですか？」

　不思議そうに尋ねるみのりに対し、山波が虚を突かれたように口を開けた。