Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IG
「へ? はい。そうですよ。うまいですよー。
こーなんてーか真っ赤だったり緑だったりするシロップをかけて食うんですよ」
きょとんとした後笑顔で説明する山波に紅が尋ねる。
「真っ赤? 緑?」
訳がわからなかったのだろう。
涼介自身も正直よくわかっていないのだが、
おそらく縁日などでよくあるあの氷ではないかと予想する。
すると案の定、野木崎が山波の言葉を補足してきた。
「赤はイチゴ味で緑がメロン味なの。
あ、あと黄色もあって黄色はレモン味だったわね、たしか」
「イチゴ、メロン、レモン……おいしそう」
野木崎の話に紅が心なしか口元を綻ばせる。
(へえ、この子、こんな顔もするんだ)
ほとんど感情を示さない紅の見慣れない微笑みに、
涼介は少しだけ感動する。
よくわからない子だと思っていたが、かなりいい子なのかもしれない。
そう思うと、少しだけ胸がちくりと痛んだ。
(みのりさんにはこういう友達がついてるのか……)
うらやましいな、などという内心を振り切るように、涼介は声を張る。
「つまりこれで氷を削れば、雪姫様の願いは叶うってことか……」
スマホを見つめ目下の事案に集中しようと決意していると、
脇のほうから碧の声がした。
一つ前に戻る GPの部屋に戻る 次を読む
|