Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IG




「へ? はい。そうですよ。うまいですよー。

こーなんてーか真っ赤だったり緑だったりするシロップをかけて食うんですよ」

 きょとんとした後笑顔で説明する山波に紅が尋ねる。 

「真っ赤? 緑?」

 訳がわからなかったのだろう。

涼介自身も正直よくわかっていないのだが、

おそらく縁日などでよくあるあの氷ではないかと予想する。

すると案の定、野木崎が山波の言葉を補足してきた。

「赤はイチゴ味で緑がメロン味なの。

あ、あと黄色もあって黄色はレモン味だったわね、たしか」

「イチゴ、メロン、レモン……おいしそう」

 野木崎の話に紅が心なしか口元を綻ばせる。

(へえ、この子、こんな顔もするんだ)

 ほとんど感情を示さない紅の見慣れない微笑みに、

涼介は少しだけ感動する。

よくわからない子だと思っていたが、かなりいい子なのかもしれない。

そう思うと、少しだけ胸がちくりと痛んだ。

(みのりさんにはこういう友達がついてるのか……)

 うらやましいな、などという内心を振り切るように、涼介は声を張る。

「つまりこれで氷を削れば、雪姫様の願いは叶うってことか……」

 スマホを見つめ目下の事案に集中しようと決意していると、

脇のほうから碧の声がした。










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