Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
二
IC
「それってどういう意味よ?」
みのりの言葉に麻里は胸の内で深く頷く。
(そうよ、それってどういう意味なのよ……)
高松が獣人の味方になっている様子は少しもない。
それどころか、満に対して敵意を抱いているような雰囲気さえある。
(訳がわからないわ……)
何しろ誰も自分にちゃんと説明してくれないのだ。
満にしても、高松にしても、
どちらかがきちんと事情を説明してくれなければどうしようもないのに。
(そんなに私って頼りない?)
そんなはずはない。
これでも学校の成績はいい方だったのだから。
(でも……)
人の心は上手く読むことができない。
『今度会った時は敵同士』
なぜ満はあんな悲しいことを言うのだろう。
助けたいのにそれを許してくれないことがもどかしい。
唇を噛み締めている隣で高松が肩を竦めた。
「美都子様はなかなか会ってくれないからね」
麻里はますます眉根を寄せる。
(なんで当主の名前が出てくるの?)
どうやら蚊帳の外に置かれているらしい。
真面目にやっているのに、どうして誰も真実を語ってくれないのか。
麻里は悔しさに拳を握った。
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