Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


一

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　突然の攻撃に散り散りになってしまった。

みのりは無事だろうか。

仁王立ちして意見してくるみのりのきつく引き締まった表情を思いだし、

苦い思いに囚われる。

（こっちが気にするだけ無駄か……）

　あそこまで嫌われているのに、

どうしてここまで気がかりなのか理由がわからず、涼介は自嘲する。

あれでも一応恋する乙女なのだし。

その相手が碧であるのならなおさら色々と難しいこともあるかもしれないが、

上手くいくといいな、と思う。

（思ってるはず……なんだけどなあ……）

　そこまで考えると、なぜか胸がどくりと痛む。

最初はちりちりするくらいだったそれが徐々に重みを増しているような気がして、

涼介は無駄な思考を振り払うように周囲を見渡す。

「はあー……。ここまで来れば大丈夫、かな？」

　思った以上に体力を消耗したらしく、肩があがる。

荒い息を必死で沈めていると、隣で太一が心配げに見上げてきた。