Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「そうだね。とっても良く似てる気がするよ」


　涼介の声に律子も近づいてくる。


「あら、本当。さっき通ったときには気づかなかったわ」


　胸像の頭部をそっとなでる律子へ涼介が話しかけた。


「美都子様の学園ですしね。実質は確か長男の方（かた）

だったと思うけれど」

「初等部にもあるよね。雪姫様とか太郎様もいるけど」


　絵だけではなくこの像のようなものが廊下の踊り場や、

正面玄関などに飾ってあったように思う。

太一は初等部で見かけた銅像を思い浮かべながら涼介を見た。


「うん。全部が同じ黄梅学園だからね。俺も初等部通ったし」


　懐かしげに頷く涼介に太一は目を見開く。


（そっか、お兄ちゃんも初等部に通ってたんだ）


　よくよく考えてみればこの大学へ通っているのだから

当然と言えるだろう。

しかし目の前に立つ青年が幼かった頃のことなど

想像もできなったため、思いつきもしなかったのだ。

だがそのことを告げようとする前に、

律子が頬へ手をあて感嘆の声をあげた。