Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「あーいたいた、雅仲さん。ここにいたんですか」

　近づいてくる青年には見覚えがある。

だが、誰だっただろう。

（親戚が多すぎて正直わからないんだよな……）

　胸の内で苦笑していると、雅仲が珍しく気の抜けた笑みを浮かべた。

「あ、忠信様。何か御用ですか？」

　次兄の言葉に涼介は一瞬動きをとめる。

「忠信様？」

　自分が知っている忠信といえば、一人しかいない。

「忠信様！」

　彼は梅宮みのりの兄、梅宮忠信その人だ。

笑顔で近づいてくる青年の正体を思いだし、涼介は喉を鳴らした。

「お久しぶりです、梅畑涼介です」

　慌てて姿勢を正し挨拶をすると、雅仲と話していた忠信が視線を向けてくる。

「先ほどの件を詳しく聞こうと、とおや、君は確か涼介君だったかな？」

「は、はい！」　

　みのりより色素の濃い瞳に見つめられ、涼介は深々と一礼した。