Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「それにしても君は年齢を問わず友人をつくれる子なんだね。驚いたよ」

　忠信の言葉に涼介は目を点にする。

友人とは誰のことだろうか。

自分に友人と呼べるような人間はいなかった気がするが。

小首をかしげて考えること数秒、彼の質問の意図を悟る。

「え？　あ、太一君ですか？　はい、大切な友人です」

　涼介は慌てて太一の身を前へ寄せる。

同世代ではないが、太一は間違いなく友人だ。

（そうかあ、友人かあ……）

　友永以外にそんな存在ができていたことに気づき、

少しだけ気恥ずかしい気持ちになった。

（孤独ってほど孤独でもなかったんだけど）

　学校でもクラスメートとはそこそこ上手くやっていた。

得意の手品を見せると喜んでくれたし、

運動もそこそこできたから仲間はずれになることもなかった。

だが、同時に肝心なところで距離を感じてもいた。

（俺、梅八家だからなあ）

　それだけで、遠慮されてしまうことは少なからずあったと思う。

変わらず接してくれる人間と出会ったのは冴島教授の研究室に入ってからのことだ。

（それに……）

　みのりが家出してくれたおかげなのかもしれない。

彼女が自分に友人の輪を広げてくれたのだ。

涼介は内心でみのりにありがとう、と礼を言いつつ、

横にいた２人を忠信の前へだした。

「改めてご紹介させていただきます。

こちら、吉田太一君、それからその隣が野木崎律子さんです」

　新しくできた２人の友人を紹介すると、太一が忠信へ笑顔を向けた。