Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「涼介君は冴島教授の学生さんなんですか？」

　忠信に尋ねられ涼介は頷く。

「はい。大変お世話になっております」

　迷惑をかけまくっている冴島教授の顔を思い浮かべながら肯定すると、

忠信が満足げに首を上下させた。

「教授は大変すばらしいかただからね。ご教授受けたくなる気持ちはわかるよ」

「僕もそう思います。忠信様も研究会に参加なさってるのですか？」

　冴島教授の研究会は少し癖があるので、好きな人はとことんのめり込むが、

だめな人はそうそうに退散してしまうことが多い。

その研究会に忠信がいるとは少しも思わなかった。

（そもそも会ったことなかった気がするしなあ……）

　まあ、自分もバイトのたびに欠席しているので、

メンバーをしっかり把握しているわけではないのだが。

不可思議に思い忠信の瞳を探ると、彼が目元を和ませた。

「まあ、そんなところかな」

　忠信の微笑みが今までの忠信とは印象が違う気がして、

涼介は目をしばたたく。

だが、問いかけようと紡いだ言葉は、忠信自身から遮られた。