Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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『え！？』


　忠信の言葉に雅仲と涼介が声を揃えて驚いている。

あまり似ていない兄弟だと思っていたが、

目を丸くして忠信を見つめる姿は似通って見えた。


（さっきは違うのかと思ったけどお兄ちゃんたちってやっぱり兄弟

だったんだなー）


　会話する２人の姿は、家族で話すものには到底思えなくて

邪推してしまった。しかし、それは勝手な思い込みだったみたいだ。

同時に雅仲に話を遮られてしまったことを不思議に思い、

首をかしげた。


（梅干しが好きだなんて話したことないのに……）


　黄金梅の話をしてはいけなかったのだろうか。

梅宮の人間ならば黄金梅について詳しいはずだ。

何かヒントになるようなことを教えてもらえる絶好のチャンスだった

のに。

しかし、黄金梅の話題を持ち出して雅仲に嫌われてしまったらと

考えるだけで背筋が寒くなる。


（お兄ちゃんと一緒にいられなくなっちゃうのは絶対にいやだ！）


　太一はマイナス思考を追い払うように、プルプルと首を横に振った。

忠信の声が重なった。