Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


六


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「俺のおじいさんとおばあさん、それから両親、兄貴達夫婦だよ。

あ、いや、姪っ子たちも含めると４世代になるのか」


　どんどん折られていく指を見て、太一は目を見張る。


「すごい！　大家族だね！　あれ？　でも最近までってことは

今は違うの？」


　たしかさっきの話では誰かが梅願に移り住んでいると言っていた

気がする。太一が返事を待っていると、涼介は優しく目を細めた。


「今はお父さんとお母さんは梅願の麓に住んでて、

家は兄貴たちとそのお嫁さん、それから姪っ子甥っ子、

とお手伝いさん、かな？ 祖父母は亡くなちゃったからね」

「お手伝いさん！　お兄ちゃんの家にはお手伝いさんがいるの？

すごいんだねー」


　太一は驚愕のあまり声を裏返す。

お手伝いさんなんていう人はテレビか漫画の中にしかいないと

思い込んでいた。まさか現実に存在していただなんて。


（お兄ちゃんって偉い人だったんだー）


　今さらながらに実感する。

しかしそれは涼介にとって褒め言葉ではなかったみたいだ。