Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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　日差しが高くなってきたようだ。

長袖では少し暑くて、涼介は右手で顔を仰ぐ。

「結構時間かかちゃったなあ〜」

　小学生が一日帰ってこなかったのだ。

普通なら事件になっていてもおかしくない。

（これなら警察へ先に行って、兄さんたちと連絡取ったほうが早かったかな……）

　今更そんなことを思いつき内心で歯噛みする。

（俺って肝心なところでいつもつまずくんだよな……）　

　いったいこれからどうやって太一の無断外泊の顛末を説明するべきなのか。

暗澹たる思いで太一の家の玄関前へ立つと、

隣にいた太一が悲痛げな声をあげた。

「あー、鬼みたいな顔のママが浮かんでくる……」

　太一の言葉に涼介は我に返る。

（そうだ。不安なのは太一君のほうだもんな）

　自分がしっかりしなくては。

弱音を何とか振り払い、涼介は太一の肩を叩く。

「大丈夫。ちゃんと一緒に謝るからさ。……よし！」

　涼介は大きく吐息して、インターフォンを押した。