Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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（おばちゃん、お兄ちゃんと連絡とれたかな……）


　太一はそわそわしながら携帯を見つめる。

しかし、青年からの連絡はなく、

ディスプレイには時刻のみが表示されていた。


　どのくらい経っただろう。

握りしめていたため温かくなった携帯から

メールを受信した音が流れる。


「お兄ちゃんからだ！」


　太一はドキドキと心臓を高鳴らせながら、

急いで受信ボックスを開いた。


『太一君、ありがとう。おかげで翔君のおばさんと話ができたよ』


　涼介のメールにホッと胸をなでおろす。

そしてすぐさま返信メールを送った。


『良かった。おばちゃんと話しができたんだね。

メールしようと思ってたんだけどカケルが、

話しが終わればお兄ちゃんからメールがくるって言うから待ってたんだ。

メールくれてありがとう』


　あともう少し遅ければ翔の言いつけを破って

涼介へメールしていただろう。優しい彼のことだ。

律子と連絡を取り合って忙しい中だったとしても

気遣ってメールをくれたに違いない。

だが、それだと律子との話し合いに時間がかかってしまっていただろう。


（翔の言うとおりにして良かった）


　太一は頼りになる親友の顔を思い浮かべ、感謝した。