Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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「太一、本当に黄金梅を咲かせたいの？」

　太一の祖母がいなくなった後、太一の母である一美が太一を見る。

「うん」

　神妙な面持ちで頷く太一を見て、涼介ももう一度こうべを垂れた。

「どうか、よろしくお願いいたします」

　頭をさげたのは野木崎も同じだったらしく、

一美の居心地の悪そうな気配が伝わってくる。

「……わかったわ。

ただし、学業がおろそかになるようだったらすぐにやめさせますからね」

　渋々と承諾してくれた一美の言葉には、まだ反発の色がある。

無理もない。

知らない男が最愛の息子を伴ってきたばかりか、

自分の友人とともに本当にあるかどうかもわからない

黄金梅の実を生らすというのだから。

できれば今だって太一の考えが変わることを望んでいるに違いないのだろう。

だが、それでも息子の意志を尊重しようと努力してくれている。

「カズちゃんありがとう！」

　野木崎の珍しく感極まった声が聞こえてきた。

同じ母親として複雑な思いがあったのかもしれない。　

「やったー！　ママありがとう」

「ありがとうございます！」

　喜び飛び太一とともに涼介も一気に頭をあげた。