Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


四


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　太一も律子のあとへ続くように歩き出す。

そしてなんとなくぎくしゃくした雰囲気を壊そうと、

大きな声で涼介へ話しかけた。


「ぼくはまだ元気いっぱいだよ。それより大学ってすごいんだねー。

大きい建物はいっぱいあるし、迷子にならないの？」


　こちらの思惑なんてお見通しなのだろう。

涼介は苦も無く追いつき隣を歩く。そして楽しげな笑みを浮かべた。


「んー慣れればそうでもないけど、実は今でも迷うよ」

「やっぱりそうなんだ。

お兄ちゃんに置いて行かれないように気をつけなくっちゃ！　ふふふ」


　さっきまでの空気が払拭され、楽しくなる。

太一はふと気づいた疑問を口にした。


「それにしても大学の廊下って白いんだね」

「そういえば高等部までは緑っぽかったっけ。

どうしてかはわからないけど、明るい感じがして俺は好きかな」


　たしかに涼介のいうとおり窓からの日差しに反射された白い廊下は

明るく感じる。

初等部の廊下も日差しがあればそれなりに明るい。

だが、日差しが当たらない場所はどこかおどろおどろしく思えて

駆け出したい気分にかられるのだ。


（初等部の廊下も大学と同じ白だったらよかったのになー）


　涼介の話を聞きながら太一はそんなことを思った。