Gold Plum





第五章


自覚


〜みのり&涼介の場合〜





IB




「ああ、偶然ね。

まあ、色々と探り入れられた挙句意見の相違で別れたけど。

あとは本家に戻る道すがらで話すから、さあ、来るんだ」


 畳み込むように言葉を紡ぎ、さっさと行動に移すことにする。

だが、何に反応したのかみのりが背けていた顔を向けてきた。


「ちょっと話聞いてたの? 私は行かないって言ったでしょう!

って、探りを入れられたっていつ?」


 却って食いつくように顔を近づけられ、涼介は慌てる。


(顔近い! 近いって!)


 うっかり桃色の唇に目が行ってしまい、今度は自分が顔を背けた。


「ついさっきだよ。まあ、なんか色々言ってたけど、どうでもいいさ」

「つ、ついさっきですってー!!」


 内心の動揺を隠し言い捨てると、みのりが絶叫する。


(なんか話が逸れてる気がするぞ……)


 説得するつもりがなぜこんなふうになってしまったのだろうか。

涼介は嘆息し、今一度みのりの顔へ目をやった。










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