Gold Plum
第五章
自覚
〜みのり&涼介の場合〜
三
B
「涼介君、みのり様のことありがとうございました」
軽く頭を下げてくる碧に涼介は姿勢を正す。
「いいえ。碧さんもありがとうございました。無理言ってすみません」
「とんでもありません。やはり涼介君にお任せして良かったですね」
そんなふうに言われるようなことはしていない。
自分はむしろ長い話を聴いてもらった側だ。
(俺の面目保たせようとしてくれてるのかな?)
やはり碧は格が違う。
(こういう人だからみのりさんも好きになったんだろうしなあ)
なんとか幸せになって欲しいものだが、
身分がどうとか言っているだけに難しそうだ。
ここは自分が人肌脱がなくては。
内心で大きく頷いていると、太一が山波へ声をかけた。
「おじちゃん、みのり様は顔を真っ赤にしても可愛いね」
太一の言葉に涼介はえ、と思う。
慌ててみのりに視線を移すと、みのりの頬がほんのりと赤みを帯びていた。
「まあ、みのり様もお年頃ってことだな」
もっともらしいことを言いながら山波が湯呑みに口をつける。
(まずい……)
想い人の前で勘違いされては辛いのだろう。
慌ててフォローしようと言いさした時、ぐいっと小さな頭が入ってきた。
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