Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「決意、とかそういうののため、です」


　麻里が俯きながらもじもじと指先をいじっている。

きっと、これ以上は察して欲しいと思っているのだろう。時折、

窺うように満を仰ぎ見ている。律子は、麻里に心の中で同情した。


（麻里さん期待したってダメよ。

満君は空気を読めるような男じゃないわ）


　予想した通り、満は襟足まで伸びている髪へ手をやり眉間に

皺を寄せた。


「決意？　なんだそれ？」


　やはり米粒ほども理解できていないみたいだ。満の顔から容易に

想像できた。

麻里もわかったらしい。

頭から湯気が出てきそうなほど顔を上気させ、満を見る。


「い、今聞かないでくださいよ。困るじゃないですか……」


　睨んでいるのかもしれないが、若干涙目になっているその姿に

恐怖は感じない。しかし、満にとっては痛恨に一撃に匹敵する

ような攻撃だったに違いない。

小さく呻く声とともに足が一歩後退した。


（これはこれでこのまま見ていたい気もするけど……仕方ないわね）


　律子は話がループしそうな２人の気を逸らすため、大きく手を

叩いた。