Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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　ここに満がいるのもきっと雪姫様の思し召しなのだろう。

律子は強引に話を畳みかけことにした。


「そうだわ！

どうせなら満君も一緒にお義姉さんの話を聞きましょうよ！

ねぇ、麻里さん」


　変に伺いを立てるような言い方では麻里に

考える隙を与えてしまう。それではダメだ。

ここは勢いに任せて、有耶無耶のまま彼女には頷いてもらおう。

律子は麻里の手をもぎ取るように持ちあげ、満面の笑みを向けた。


「え！」

「はあ？」


　こちらの行動をまったく予想していなかったようだ。

麻里と満が瞠目したまま停止する。


（本当は同意して欲しかったんだけど……）


　同じ顔で見つめ合い、動かなくなった２人の反応が

面白かったのだろう。直実が微笑みながら、賛同してきた。


「ふふふ。そうね。

どうせならお相手の長さんも一緒の方がいいわね」

「ですよね」


　律子は義姉という強い味方に、瞳を輝かせる。だが、その間に

満が我に返ってしまったようだ。ガラの悪い態度で言い返してきた。


「あぁ？　何勝手に決めてんだよ？　行くわけねーだろう」

（まずいわ。こんな早く満君が正気に戻るなんて）


　まったくの計算違いだ。しかし、幸運の女神は自分へ微笑んで

くれているらしい。

麻里が戸惑いを見せつつも、こちらの意見に傾いてくれた。


「そ、そういうもの、ですか？」

「そうよ。そういうものよ！」


　これ以上、麻里に思案させてなるものか。

律子は目に力を込めて、断言した。