Gold Plum

第六章


対峙


〜律子＆麻里の場合〜


二


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「え？！　苦手？！」


　律子の義姉夫婦は仲がよいと聞いたのに。

元から好きだったのではなく、苦手だったなんて。


（好きじゃない人を好きになるなんてことあるの？）


　初恋ですらほぼ未経験の自分にはまったく理解できない。

目を丸くしていると、直実が頷いた。


「そうなの。麻里さんも働いてらっしゃるからわかると思うのだけど、

気の合わない上司っているでしょう？」


　直実の言葉に麻里は大いに同意する。


「いますいます。だから恋愛って言われてもちょっと……」


　神経質そうな眼鏡姿の上司、高松の顔を思い浮かべ苦い思いを抱いていると、

律子が直実へ尋ねた。


「気の合わない上司がお義兄さん？　今、超ラブラブなのに？」

「わー！」


　律子の問いかけに麻里は歓声をあげてしまう。


「ラブラブなんですか！　うらやましい！」


　仲がいいとは聞いていたが、超がつくほどラブラブだとは思わなかった。

自分もそうなれたらいいのに。

ちらりと満の表情を窺うと、

引くほど大きく目を見開いている彼の顔が目に入った。